COP22閉幕 本格的に動き出したパリ協定


アフリカ、モロッコのマラケシュより温暖化・エネルギー担当の山岸です。

こちらで開かれていた国連気候変動会議COP22が先ほど終了しました。

結果としては、2018年に向けたパリ協定のルールブック作りを、なんとかスタートさせることができました。

詳しくは、報告をお読みただければと思いますが、ひとまずは順調な成果を挙げたと言えます。

特に、この会議では、「パリ協定」のもと、各国の温室効果ガスの削減目標の見直しに向けた「2018年の促進的対話」の準備を開始することが決まりました。

「パリ協定」が本当に今後、世界の温暖化防止の役に立つものになるのか。

それを左右するこの重要な論点については、私たちWWFを含め、NGOが一丸となって、各国政府に水面下で懸命に働き掛けた結果でもあるので、個人的にもほっとしています。

閉会式でスピーチする次回COP23のホスト国フィジーの代表。米大統領選の選挙の結果もCOP22の参加者には衝撃でしたが、交渉自体は影響を受けることなく淡々と行なわれました。

もっとも、いくつかの点では、最後まで交渉が難航し、今回もしっかり(?)会議は深夜まで継続。

「パリ協定のルールブック作りの期限を2018年とすることは、かなり早い段階で大筋合意ができているから、そんなに揉めないだろうし、予定通りに終わるかもな」などという、私の甘い予想(期待)は裏切られる結果になりました。

それでも、COP22で無事に今回の合意ができたことは、世界が、そしてパリ協定という巨大な仕組みが、着実に動き始めていることを感じさせるものでした。

気候変動の脅威にさらされる南太平洋の島々。次回のCOP23はドイツでの開催ですが、ホスト国はこの島々よりフィジーが選ばれることになりました。

2週間にわたり、現地からの報告をお届けいたしました。

ご関心を持って見守ってくださった皆さまに、心よりお礼を申し上げます。

ここで感じた世界の風を国内にも伝えて、日本の温暖化防止がさらに加速するように、また帰国したら頑張っていきたいと思います。

関連情報

現地より動画配信中!

COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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環境保全団体です。

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