パリ協定会議(CMA1)に向けた「気候マーチ」


アフリカのモロッコ、マラケシュのCOP22会場より温暖化担当の山岸です。

今年の国連気候変動会議COP22が、前半の1週目を終え、折り返しに入りました。

日曜日にあたるこの日には、地球温暖化の解決を求める市民たちによる「気候マーチ」(行進)が行なわれました。

このマーチは毎年開催され、主催するのは、その年のCOP開催地の市民たちです。

モロッコ国民の多くはイスラム教徒。女性の参加者も多く見られました

昨年COP21が開催されたパリでは、気候マーチに40万人もの人々が参加すると見込まれていましたが、開幕の2週間前に起きたテロ事件を受けてやむなく中止に。

ですが、日本を含む175か国の2,300都市で同日、70万人の市民が思いを一つにして行進しました。

そして、そこで示された世界の市民の願いは、パリ協定の成立に大きな役割を果たしたのです。

今年COPP22でのマーチを手掛けたのはモロッコの市民団体の人たちで、世界中から集まったCOPの参加者もこれに加わり、思いをつないで目抜き通りを行進します。

WWFのスタッフも、会場を離れ、スーツをTシャツに替え、街頭へとくりだしました

「未来のため、世界の気温上昇を1.5度未満に」
「私たちはクリーンエネルギーを求めている」
「温暖化のないもう一つの未来は実現できる」

会議場では議論される内容が、マーチではプラカードのメッセージに、そして人々の声となって、3キロの道のりを続いていきます。

晴れ渡った明るい陽光の下で、大勢の参加者とともに、そんなマーチを楽しみながらゆっくり歩いていると、後半2週目の会議に向かう力が満たされてくるようでした。

WWFインターナショナルの気候リーダー、エマニュエル・プルガービダル。マーチでもたくさんのメディアの取材を受けていました。

今週は、各国首脳が集まった閣僚級会合、そしていよいよ、パリ協定の第1回締約国会議(CMA1)が開かれます。

私たちも協定のルール作りで確かな成果が出せるように、精一杯活動していきますので、ぜひ応援していただければと思います。

関連情報

現地より動画配信中!

COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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