祝!世界の温暖化防止の約束「パリ協定」の発効が決定!


世界の温室効果ガスの排出をゼロにすることを目指す、新しい温暖化防止の約束 「パリ協定」の発効が決定しました!

予定日は11月4日です。

パリ協定は、世界の温室効果ガスの排出量の55%以上を占める、55カ国以上が批准(参加)することが発効の条件となっていました。

米中の批准に続き、 10月以降は競争さながらに各国がダッシュ!

まず10月2日に、あまり積極的に協定に関わってこなかったインドが、いい意味で世界の予想を裏切り「責任ある大国」として批准。

焦った欧州連合(EU)が、域内28カ国の国内手続を待たずに特例措置で批准を決め、そこから一気に10カ国近くが続いて、あっという間に発効条件がクリアされたのです。

どの国も、協定に命を吹き込む「発効」に寄与した、という軌跡を残したいんだなと、驚きをもって見守った数日間でした。

温暖化の国際条約の歴史では考えられなかった、早期の発効を心から歓迎し、批准した国々に敬意を表したいと思います。

しかし、最後に駆け込んだ国々の中には、決して温暖化防止の合意に熱心だったとは言えないカナダなどが名を連ねた一方、日本の名前はありませんでした。

本当に残念に思います。これで日本は先進国の中で最後尾グループとなりました。

私たちは毎年、全ての国連交渉に参加していますが、こうした場でいつも痛感するのは、世界の温暖化対策に対する熱心さと、意気込みに欠けた日本国内との間にある、悲しい温度差です。

パリ協定は、これからのエネルギー社会を作る巨大なビジネスチャンスでもありますが、それを経済対策に活かすべく、積極的にパリ協定のルール作りに取り組もう、という積極的な姿勢を、日本政府も見せてほしいものです。

とにもかくにも、発効の確定を受け、 11月7日からモロッコのマラケシュで始まる国連会議(COP22)は、パリ協定の第1回締約国会合となることが決まりました。

世界が動いています。日本も動こうではありませんか! (温暖化担当 小西)

本日国連のウェブサイトにパリ協定の第1回締約国会合開催のお知らせが載っていて、とっても興奮しました!

関連情報

パリ協定について知りたい方はこの本がお勧めです!

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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