アジアで今起きている野生生物取引の問題について


こんにちは。トラフィックの西野です。

私たちトラフィックは、WWFジャパンの野生生物取引監視部門として活動をしていますが、本部はトラフィックインターナショナル、英国・ケンブリッジにあります。

トラフィックにもWWFと同様、世界各地にオフィスがあり、東アジアには東京のほか、香港、北京、台北、ニューデリー、カトマンズに拠点があります。

そして先日、この東アジアの活動を統括しているヤニック・キュール(Yannick Kuehl)が来日しました。

年に数回は来日するヤニックですが、少々お腹が成長していたような...

ともあれ、せっかくの機会を利用しない手はない、と、私たち東京事務所のメンバーで緊急講座を企画。

ヤニックに、アジアで今起きている野生生物取引の問題について話をしてもらう機会を設けました。

違法取引などの「野生生物犯罪」は近年、国際問題として、国連総会の議題にも取り上げられるようになりました。もちろん日本も無関係ではありません。

ヤニック・キュール 港区立エコプラザにて(12/2)

平日の夜の開催で、しかも告知が直前だったにもかかわらず、38名の方がご参加くださいました。

世界で起きていること、アジア地域で起きていること、そこに日本がどのように関係しているのか。

国際的な視点から見た日本の立場についても触れながら、自分たちに何ができるのか、お話しをしてもらいました。

講座終了後にも質問が絶えず、「参加者の方々と直接お話しができ貴重な時間となりました!」と、ヤニックも喜んでいました。

野生生物の違法な取引をなくすこと、持続可能に利用することは、世界の野生生物を守るために、日本が果たすべき大事な役割です。

政策や法律の強化も大切ですが、消費者である私たち一人ひとりが問題に注目し、行動することも、とっても重要なことなのです。

またこうしたお話しを聞いていただき、ご一緒に考えてもらえるような機会を作ってゆきたいと思います。今回ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!

違法な野生生物取引の規模:年間約2兆円(クリックすると拡大します)

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自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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