地域発、自然エネルギーの探求を!(景観編)


こんにちは、温暖化担当の市川です。
今日は、私たちが、鳴門市、徳島地域エネルギー、エコみらいとくしまの3者と共に取り組んでいる、地域が主体となった再生可能エネルギーの導入プロジェクトの様子をご報告します。

このプロジェクトでは今、再エネの適地を選ぶ「ゾーニング」を進めています。

これは、地域の人の暮らしや自然環境に配慮するため複数の項目を評価しながら、適地を絞り込んでいく作業で、風力や太陽光を使った発電施設を建設する上で、私たちが欠かせないと考えるプロセスであり、昨年6月から協議を重ねてきました。

坂東谷橋から見た大麻山 写真提供:鳴門市

先週で第14回目を迎えた協議会のテーマとなった項目は、「景観」です。 

たとえば大きな風車を建設する場合、地域の風景を大きく変えてしまうことがあります。

ですから、景観への影響をなるべく小さく抑えるために、適切な方法や場所を、さまざまな方法で評価し、決めてゆかねばなりません。

今回の鳴門市での検討では、人によって捉え方が異なる「景観」を、そもそもどのように捉え、評価するかで、議論が大きく分かれました。

そのため協議会では、住民を対象に過去3回の聞き取り調査を行ない、「どのような風景が地域にとって重要か」について、情報を収集してきました。

鳴門藍住大橋から見た大麻山 写真提供:鳴門市

個人的に興味深いと感じたのは、住民の方にとって重要な景観が、市などが誇る観光地などに、必ずしも一致しないこと、そして、景観への影響を心配する声が、地区によって大きく異なっていることでした。

今回の協議会では、こうした現地調査に加え、仮に風車が建った場合の見え方のシミュレーションなども参考に、まず市内のどの場所を開発対象から外すべきなのかを検討し、決定しました。

判断の難しい評価がひと段落してほっと一息ですが、配慮する必要のある項目は「景観」の他にも、まだまだあります。今後の検討の動向も、またご報告したいと思います!

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自然保護室(気候・エネルギー)
市川 大悟

学士(農学)
準学士(機械工学)
高等専門学校で機械工学を専攻後、大学で環境学を修了。卒業後は工学分野の知識を活かし、環境分野とも関わりの深いエネルギー分野のエンジニアを経て、2012年にWWF入局。以降、再生可能エネルギーのプロジェクト担当者として活動。

子どもの頃にどっぷり遊び漬かった田舎の原風景。その自然をこれからも残したいと考えてWWFに。元は畑違いのエンジニアですが、逆に培った工学の経験と環境の知識を糧に、エネルギー面から環境問題の解決に貢献したいと考えています。主な活動は、地域での再生可能エネルギーの導入を手助けすること。モデルプロジェクトの組成や、合意形成の援助、国の制度を変えるための政策提言などを行っています。
人と自然が共存できる社会を、皆さんにお見せできるよう、これからも頑張っていきます!

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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