RSPOパーム油の製品を探してみよう!


自然保護室の南です。 「スーパーに並ぶ商品の半分には使われている」とも言われる原材料があるのをご存知でしょうか?よく「植物油」と表示されているパーム油です。

このパーム油、食品はもちろん、石鹸や洗剤にも使われています。でも、石鹸ってそもそもどうやって作られているのか、なかなか見る機会がありませんよね。

そこで先日、工場見学をしてきました。お邪魔したのは墨田区にある玉の肌石鹸株式会社。パーム油の認証制度「RSPO」に加盟され、認証マーク付の石鹸も販売されています。

RSPOマークの付いた固形石鹸

RSPOは、環境や社会面に配慮して栽培されたアブラヤシ農園や、認証油を取り扱う加工・流通企業に与えられる認証です。

パーム油を100%輸入している日本では、パーム油を利用するメーカーや、輸入する商社などが認証を取得しています。

固形石鹸は、石鹸素地から作られます。石鹸素地とは、言葉の通り石鹸のベースと言えますが、油脂の成分である脂肪酸と水酸化ナトリウムを反応させた脂肪酸ナトリウムのことです。石鹸素地に保湿剤や香料、色素などを混ぜた後、機械で圧縮し出てきた棒状の石鹸を金型で型打ちすると石鹸の完成です。

RSPO認証を受けた原料。袋にもRSPOマークが!これに香料などを混ぜ成型すると石鹸となります。

この石鹸素地は、パーム油だけではなくオリーブ油、ヤシ油(ココナッツ油)などの植物油脂や、牛脂などの動物油脂でも作ることができますが、植物性の石鹸素地には一般的にパーム油が使われます。

スーパーで石鹸や洗剤を手に取った時、原料として使われているパーム油がどこから来て、森林などの自然環境にどのような影響を与えているのか。

皆さんにも考えていただけたら嬉しいです。そして、もしRSPOマーク入りの商品を見つけたら、ぜひ試しに購入してみてください。

 

機械で原料を混ぜ合わせます。

棒状の石鹸を型押し機に通すと、良く見る形の石鹸となって出てきます。

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自然保護室(森林グループ兼 フードグループ長)
南 明紀子

米Monterey Institute of International Studies国際環境政策専攻修士課程修了。国際基督教大学国際関係学科卒業。 環境マネジメントコンサルタントを経て、2013年にWWFジャパン入局。森林リスクコモディティとも呼ばれる、森林減少要因であるパーム油、牛肉などの持続可能な生産と利用推進を担当。

マニュアルも正解もない仕事ですが、何が地球・人間にとって一番最適解かを模索する日々です。最近の疑問は「認知の後にアクションに繋げるにはどうすればいいか」。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
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