5日目でまだ道半ば... ドイツのIPCC会議


ドイツ、ベルリンでのIPCC会議は5日目、本当は最終日の予定(!)でしたが、「要約」の承認作業はやっと折り返し地点。終わる気配がありません。

各国政府が合意に至らない文章については、別室での小グループによる話し合いも行なわれています。

連日早朝から夜中までの承認作業に、みんな目の周りに隈ができてパンダ状態。疲労も重なり、言葉がきつくなったりしてきています。

今回の会議のテーマは、各国の利害や政策がからむ「温暖化の対策」なので、簡単にはいかないと覚悟していましたが、険しい道のりです。

そんな中、会議で特に関心が高いのは、やはり「お金」の話。

「産業革命前に比べて2度未満に気温上昇を抑えないと、温暖化の影響が共存できないレベルになってしまう」という警告は、先月の「温暖化の影響」の報告書でも明示されましたが、では、そのためにはいくらかかるのか? それが、経済モデルをふまえた報告書の中で、どう示されるのか? 関心が集まるわけです。

これを逆手に取ったパフォーマンスが5日目の朝、会議場の外で行なわれ、大勢の見物人が集まりました。

WWFドイツのスタッフによる発案で、「化石燃料で儲けている人物が、「地球危機」というスロットマシーンで、地球の未来を賭け、負けてしまう...」というストーリー。そして、その分のお金を、自然エネルギーへ振り向けることで地球を救おう!というメッセージを送るものです。

今回、私たちWWFのスタッフは世界各地から11人が参加していますが、このパフォーマンスで、久しぶりに外の空気に触れて気分転換!できました。また会場へ戻って、議論の行方を追います。今夜は徹夜だなぁぁぁ...

報告書は現地時間で13日の朝10時に発表です。(温暖化担当:小西)。

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人もまばらな朝の会議場。完了した承認作業はまだ半分...

会議場の外で行なわれたパフォーマンス

カジノの衣装を着ているのもWWFドイツのスタッフです

スタッフの愛犬も登場!

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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