地面の上を走り回るワシと金色のカエル


会報『WWF』の最新号が仕上がり間近です。

前号の『レッドリストの動物たち』のコーナーでは、猛禽類(ワシやタカの仲間)なのに、あまり空を飛ばず、地面を走り回るのがスキ?という、変りモノの鳥、ヘビクイワシを紹介したのですが、今回は珍しくカエルの登場となりました。

ヘビクイワシについては前号の会報の中でも触れましたが、この鳥が『レッドリスト』に危機種として記載されたのは2011年。ごく最近のことです。

私はそのことをついぞ知らず、それなりに数も多く、絶滅とは無縁の鳥だろう、と思っていたので、ちょっとショックを受けました。

今回の号でご紹介するカエルは、マダガスカルの熱帯の森に生息する、キンイロマダガスカルガエルという派手な色のカエルです。これは、数がそれなりにいるらしい。

でも、それはきわめて限られた、狭い場所に集中しているだけで、その地域の森がもし失われたりすれば、あっという間に絶滅... ということにもなりかねない、危機レベルのきわめて高い種です。

アフリカに広く生息するヘビクイワシと、マダガスカルのわずかな森に生きるキンイロマダガスカルガエル。ともに置かれた絶滅の危機という状況の中にも、いろいろな違いがあることに気づかされます。

今、こうした野生の生きものたちの身に起きている現実は、自然の劣化や環境の変化のシグナルでもあります。

そのシグナルはじつにさまざまですが、大切な意味を持つものです。見落とさないようにしてゆかねば、と、気持ちを新たにした号でした。

会報『WWF』の最新号は、来週末ごろに会員の皆さまのお手元に届く予定です。ぜひご覧になってみてください。(広報担当:三間)

 

 

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

森、海、気候、野生生物、さまざまな活動をサポートしています。

虫を追いかけ40年。鳥を追いかけ30年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの20年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと思っています。

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