中学校で、「温暖化の国際交渉」を再現する授業!


エネルギー・温暖化担当の小西です。
モデル授業の準備をされている、ある教育大学付属の中学校の先生が、なんと「地球温暖化の国際交渉」の現場を、生徒たちに、いろんな国の代表となってもらって交渉・体験してもらう、という授業を今年の秋に展開されるそうです。

温暖化の国際交渉の現場はエキサイティングです! 各国が国益をかけてぶつかる修羅場でもあります。それを中学生たちがどのように体感してくれるのか、私も楽しみです。

またその準備として、拙著の『地球温暖化の最前線』を、130人の中学生全員が、夏休みに読んでくれているとのこと。この本は、国際交渉の現場について可能な限りわかりやすく、学生さん向けに心を込めて書いたものですから、うれし~い!!

学生の皆さんが、本を読んでいるところのお写真を、先生が送ってくださいました。これほどみなさんで地球温暖化について、熱心に関心を持ってくれるなんて、私たちとしては感激です。

地球温暖化はそう、まさにこうした次の世代の皆さんに影響する問題なのです。

しかし、その解決と対策を今、議論し、交渉しているのは熟年世代。しかも、対策の歩みは遅々としています...

2009年の国連の会議に参加したある学生が、白髪の混じる各国の交渉官たちにこう呼びかけたことがありました。

「あなたたちは、2050年に何歳になりますか? 私たちに安全な地球を残してください」

日本の学生の皆さんにも、ぜひ地球温暖化のことを学んでいただき、国益のぶつかる国際交渉の現場を体感してもらえればと思います!

 

 

 

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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