ドーハCOP18が終了しました


カタールのドーハより、温暖化担当の山岸です。
こちらで開催されていた国連の気候変動会議COP18が、1日延長の末、終了しました。

今回の会議では、「ドーハ・パッケージ」が採択されました。

これによって、ADP(ダーバン・プラットフォーム特別作業部会)が本格始動し、AWG KP(京都議定書の特別作業部会)とAWG LCA(気候変動枠組条約の特別作業部会)は、その役目を終えて閉じることになります。

合意の中身をみると、2週間の会期をここまで延長してまでやったにしては乏しい内容と言わざるを得ず、相変わらずこの交渉は遅々として、難しいとの印象を強くします。

しかし、地球温暖化の影響を強く受ける国々の声も聞きながら、国際的な取組みを進めていく場としては、現状は他にオルタナティブはなく、辛抱強く前に進めていくのしかないと思います。

今年発表された気候変動に関する科学的知見が示す問題の深刻さを素直に考慮すれば、世界的にみて残された時間は本当にありません。

多分、このように書いても決まり文句にしか聞こえませんが、きっと、将来、いつか過去を振り返った時に、「あの時はまだ余裕があったはずなのに」と言わざるをえない日がくると思います。その前に、世界的な取組みが加速するように努力したいです。

簡単ですがCOP18の報告をまとめました。後日、詳細をお知らせいたします。また、会議期間中、こちらで頑張り続けていたNGOのメンバーの皆さんと共に、報告会も開催する予定です。あらためてご案内いたします。

この記事をシェアする

自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP