エコロジカルフットプリント開発者のブループラネット賞受賞記念講演会


企画調整室の清野です。
11月1日に国連大学で開催されたブループラネット賞受賞記念講演に参加してきました。

この賞は、地球環境問題の解決に大きく貢献した個人や組織に贈られる国際的な賞で、(公財)旭硝子財団が創設したもの。

平成24年度は、エコロジカルフットプリントの開発者ウィリアム・E・リース教授とマティス・ワケナゲル博士、土地利用が生物多様性にもたらす影響を研究したトーマス・E・ラブジョイ博士の3人が受賞しました。

ワケナゲル博士はWWFの「生きている地球レポート(Living Planet Report)」の共同研究NGO「グローバルフットプリント」の代表で、かつてWWFのスタッフでもありました。

エコロジカルフットプリント、つまり、人間による環境への負荷を示す指数が、今の環境問題への取り組みに貢献したことが、今回の受賞によって評価されたのです。

博士は講演で、「自然資源の危機的状況が強まれば、資源の奪い合いが深刻になりオークションとなる。短期的な「所得」をめざすのではなく、恒常的な「富」を確保できるよう自然資源を維持することが重要だ」と、熱く警鐘を鳴らしていました。

また、もう一人の受賞者ラブジョイ博士も、以前WWFに所属しておられ、「なぜ大規模で優れた研究ができたのか」との質問に対し、「一つにはWWFが長期にわたり資金提供をしてくれたことがある」と述べていました。
皆さまからお預かりした寄付金の有効な利用が評価され、私たちとしても嬉しい受賞でした。

生物多様性の重要な基礎研究に安定した資金を提供し、エコロジカルフットプリントで環境の現状を見据えながら、限りある自然資源の持続可能な利用をすすめてゆく。まさに私たちの目指す活動の真骨頂を、目の当たりにした授賞式でした。

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受賞したマティスさん(左から3人目)。右へ、ブリティッシュコロンビア大学の学友だった同志社大学の和田喜彦先生と、グローバルフットプリントネットワークの伊波克則さん

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企画管理室
清野 比咲子

深海生物や昆虫など人間には思いつかない生きものを知るたびに仕事への意欲をキープしています。ワシントン条約会議で世界の人々の真剣な議論を目の当たりにし、自然保護の醍醐味を味わいました。いまは、地球にダメージを与えない新たな時代の暮らし方を模索し、「環境なくして経済なし」と言い続けています。

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