祝島に行ってきました!


温暖化・エネルギー担当の山岸です。祝島(山口県上関町)に行ってきました。

祝島と言えば、上関原発建設に反対を長く続けてきた島として有名です。近年では、自然エネルギーで100%自立する島を目指すための取組みも展開しています。

今回は、そうした祝島の取組みをもっと知るために、環境エネルギー政策研究所(ISEP)やマメナジーのご協力も得て、訪問させて頂きました。

島民の会の代表をされている方にもお会いして、約30年(!)にわたる反原発の取組みが、島の生活を守るために行われてきたこと、自然エネルギー活用の仕方について、まずどのような場で使えそうなことから検討が進んでいることなど、色々なお話を聞かせて頂きました

また、島の産品である「干しタコ」を作るために、とれたてのタコに糸を通す作業も体験させて頂きました。
生のタコの感触に最初は戸惑いましたが、やってみると意外に楽しかったです。やがてパンダショップで出荷されるタコには私が作業したものも含まれているかもしれません!

1つとても印象的だったのは、写真のように、島から実際に見渡せる目の前に原発が建設されていくという距離感でした。写真には、設置された太陽光パネルが写っていますが、その向こうで写っている対岸がちょうど上関原発の建設予定地です。

原発への反対は、しばしば「感情論」として切り捨てられますが、美しい瀬戸内海の景色や祝島の暮らしを目にした時、そこで生活している人々の思いを単純に「感情論」といって切り捨てることの横暴さを感じました。

エネルギーのあり方は、正確な情報や専門的知識に支えられて、きちんと検討していかなければならない問題ではあります。しかし、そもそもそれは人々の生活のためにエネルギーが必要であるからであって、その生活を守りたいという人たちの思いを切り捨ててしまっては、本末転倒だと感じた出張でした。

  • ※祝島名産のタコは、10月発売予定です。
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祝島から原発建設予定地の対岸を望む。左側に太陽光のパネルが見える

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島の太陽光発電施設

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名産の干しタコづくり。早朝に水揚げされたもの

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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