赤土からサンゴの海を守る、島の人たちの取り組み


南西諸島プロジェクトの権田です。
沖縄本島から西におよそ100キロ、日本でも有数のサンゴの群落が残る久米島で今、サトウキビ畑からの赤土流出が、沿岸の自然およぼす影響を減らすための取り組みを行なっています。

この「久米島応援プロジェクト」は、今年9月までの3年におよぶ活動期間に、久米島の方々が対策活動に取り組むための体制構築にむけた支援を行なう、というものです。

プロジェクトチームを作ってさまざまな専門家の方のご参加を仰ぎ、対策に必要な農地の地形データなどを基にして、特に対応が必要な地点を分析・抽出。土壌流出量の測定機器も設置するなど、科学的な情報に基づいた、実施・評価ができる仕組みになっています。

先日は、久米島町長にお会いし、これまでの活動の経過報告と、地域活動への支援・連携作りの意見交換のため、現地に行ってきました。ご一緒したのは、地元企業による保全活動団体「一般社団法人 久米島の海を守る会」の方々です。

町長には、この「海を守る会」が、久米島応援プロジェクトとともに企画し、この4月より募集をおこなっている、赤土対策作業や資材費の助成制度について説明。久米島町が現在実施している同様の補助制度とともに、相乗的に農家の皆さんの助けとなり、参加農地をふやし、土壌流出対策の効果が高まるよう、協力を依頼しました。

身近な自然をずっと守っていけるかどうか、その大きなカギを握っているのは、島でくらす地元の方々です。久米島応援プロジェクトが提供するさまざまな情報を踏まえて、久米島町や地域の活動団体に、継続して取り組んでいただけるよう、プロジェクトのコーディネートを進めていきます。

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自然ゆたかな久米島

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農地も多い島です

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町長を訪問。
町の取り組みを支援できる制度について説明させていただきました。

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自然保護室 国内グループ所属
権田 雅之

南西諸島プロジェクトを担当。陸域での取り組みを行なっています。

亜熱帯に属する琉球列島の島々で、アマミノクロウサギをはじめ希少生物やその生息地の保全に、地域の方々と共に取り組んでいます。問題と地域社会の変革は、国外の他の島々でも同じような問題と解決の縮図。次の一手は東南アジアの島々や地域への拡大もありや。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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