四川大地震の被災地からのレポートに思う


Web担当の三間です。5月もそろそろ終わり。まずやってきた台風に続いて、関東にも早めの梅雨がやってきそうです。

この5月で思い出すことがあります。
2008年の5月12日、中国四川省を襲った大地震です。内陸の地震でしたが、被害は甚大で、今でも復興活動が続いているそうです。

WWFにとっても、地震は打撃でした。四川は何といっても野生のパンダの生息地。世界的にも貴重な自然が残る場所で、活動の重要なフィールドであったからです。事実、震災は多くの保護の拠点を破壊し、活動は存続の危機にさらされました。

その中で、WWF中国のスタッフや保護区の関係者たちは、自らも被災しながら、家や仕事を失った保護区周辺の人たちの救済活動に奔走。日本をはじめ各国のWWFもこれを応援しました。

これは一見、WWF本来の活動である「自然保護」とは、ちょっと違うのではないか?と思われるかもしれません。ですが、そうではないのです。

ここでパンダの保護活動を推進し、支えていたのは、被災した現地の住民たちの理解と参加でした。こうした人たちの協力があって、はじめて、密猟や貴重な森の伐採、開発行為を抑えることができたからです。

そんな現場からのレポートを、四川大地震の1年後、私たちはこのサイトで紹介しました。あらためて読んでみると、四川の人たちがいかに自然保護と、人の暮らしを取り戻す取り組みを両立させる努力をし、復興という課題に挑戦してきたか、その一端を知ることができます。

WWF中国が展開したこうした活動には、日本国内で皆さまからWWFジャパンにお寄せいただいた募金も支援として送られました。困難に立ち向かう人の意思と、それを支える人の気持ちが一つになったとき、新しい未来が拓けることを信じ、私たちもこれからの活動を続けたいと思います。

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中国・四川省より 2009年8月の震災復興の現地レポート

【5】 山と森を守る人々
【4】 カルフールに胡椒を売る
【3】 村に水が戻った
【2】 パンダ生息地の自然の回復
【1】 四川地震後の巡回記

 

 

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

森、海、気候、野生生物、さまざまな活動をサポートしています。

虫を追いかけ40年。鳥を追いかけ30年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの20年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと思っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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