ムアンの海からいただいた「功労賞」


こんにちは。自然保護室の東梅です。
黄海に面した韓国の町、ムアン郡に行ってきました。5月17日にここで、ムアン生態干潟センターの開所式が行なわれ、招待をいただいたのです。

さまざまな野生生物と、豊かな漁業をはぐくむムアン郡の干潟は、2001年に韓国で初めて、沿岸の湿地保護地区に指定された海。
私たちWWFジャパンが、黄海エコリージョン支援プロジェクトを通じて、その自然環境の保全を応援してきた地域でもあります。

私が初めてムアン郡を訪れたのは2008年、プロジェクトの助成金で行なわれた、地域での普及活動の現場を見せていただいたのが最初でした。

その後も、日本のエコツーリズムの事例を地区住民方々にご紹介したり、3年計画で保護区の自然環境の変化を監視する仕組み作りや、地域住民の方が実際のエコツーリズムを始める取り組みに協力するなど、さまざまな機会に同郡に足を運んできました。

ですが、今回はちょっと特別な訪問となりました。
センターの開所式で、ムアン郡から干潟保全に対する功労賞を頂いたからです。

WWFの黄海エコリージョン支援プロジェクトは、さまざまな方に支えられてきました。郡の住民の方々や、自治体、研究者の皆さん、その連携を実現してきた韓国の環境NGO生態地平研究所(Eco-Horizon)、プロジェクトの推進にあたっているKORDI(韓国海洋研究院)、そして資金援助を下さっているパナソニック株式会社。
賞はまさに、そのパートナーシップがもたらした、海洋保全への貢献に対するものでした。

黄海の水産物は、日本でも多く消費されています。日本にもつながりの深い、この東アジアを代表する海の保全は、大事な活動の一つです。

これからも保全を進めながら、日本の皆さんにも、ムアン郡の美しい海辺の自然と農漁村の風景を、また美味しいタコを始め豊かな産物を楽しんでいただけるような、ツアーの機会などを作ってゆければと考えています。

 

 

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ムアンの干潟と、名産品のタコ。ソウルの日本人観光客のみどころの一つ、鷺梁津(ノリャンジン)水産市場でも「ムアン産」のテナガダコは、他より高い値段が付いています。

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私もムアン郡ヨンサン地区でお母さん達の手料理、蒸したタコをご馳走になり、そのおいしさと素朴さに感激しました。

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センター開所式。すばらしい天気でした。ムアン郡のソ・サムソク郡長さん(日本の市長さんに相当します)から手渡しで功労賞のトロフィー(左下)をいただきました。

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事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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