セミナー「デザイナーが伝える生物の多様性」報告
2010/02/04
2010年2月4日、WWFは東京有楽町にある「丸の内さえずり館」で、WWFセミナー「デザイナーが伝える生 物の多様性」を開催しました。同館で開催している展示「WWFジャパン 私たちの暮らしと生きもののつながり」での、第2回目のセミナーです。今回は、デ ザイナーの坂下智亜紀さんをゲストにお迎えしました。
デザイナーと環境保全の新しい連携
しかし、私たちは普段、生物多様性の恩恵をあまり意識することなく、日常生活を送っています。
WWFでは、このことをもっと多くの方にわかりやすく知ってもらうため、その方法についてデザイナーの方々と相談し、今回「丸の内さえずり館」での展示に取り組みました。
この展示に協力してくれたのが、今回のセミナーのゲストである坂下智亜紀さんが代表を勤めるアートディレクターグループ7G(セブン・ジー)。7Gは、多分野で活躍するアートディレクター約50名が参加する任意の団体です。
2009年5月に東京六本木のミッドタウンにあるスルガ銀行d-laboで、坂下さんたちが、WWFの活動を表現した展示に取り組んでくださったことが、今回のセミナーにつながりました。
メッセージを広げていこう!
坂下さんはセミナーで、どのような経緯でアートディレクターたちが「生物多様性」というテーマと出会い、実際製作した作品について語ってくれました。
WWFをはじめ、環境問題に関わり、取り組んでいる人たちの話は、とかく専門的な難しいものになりがちです。
しかしそれでは、多くのまだ関心のない人に知ってもらうことは困難です。
このような課題について、坂下さんは「一番伝えたいことを凝縮して、人とコミュニケーションをとれるものにする。自分たちの作品が、まずは知ってもらう、考えてもらうきっかけになれば良い」と話してくれました。
また、デジタル映像作家でもある坂下さんが制作した作品もご紹介いただきました。
これは双方向のコミュニケーションに着目したコンテンツで、題して『携帯ゴリラ』。
「平面のグラフィックデザインや映像作品では一方的な印象の押し付けしかできない。インタラクティブなもので、私たちの暮らしが生きものとつながっていることを表現したかった」とその制作の苦労を話してくれました。
コミュニケーションの達人であるデザイナーの方々とのコラボレーションは、地球環境の保全を訴えるWWFのメッセージを、いっそう幅広く伝えていくチャンスに他なりません。
今回のセミナーにご参加いただいた方は、およそ30名。環境保全団体とデザイナーたちとの、意外なつながりやその意義に、熱心に聞き入っていました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!