BEE 2025
第2期のご紹介
- 第2期(BEE 2025)
- 第1期(BEE 2024)
Seminarゼミ
(1)上村ゼミ(生物多様性とイノベーションゼミ)
サステナブルな社会を築くために、食・住まい・衣料・へルスケア・エネルギー・インフラ・ファイナンス・スポーツ・娯楽など、私たちの暮らしに関わるあらゆる領域において、システムチェンジが求められています。
既存の発想や枠組みに囚われることなく、環境・社会・経済のトレードオンを目指す事業・活動のブラッシュアップを加速させます。

メンター

採択者
(2)原ゼミ(自然と調和する地域づくりゼミ)
森、海、川、里山、草原、湿地など豊かな自然を基盤として私たちの社会・経済は築かれています。そういった自然資本と密接に結び付く農業・漁業・林業・観光業などを通し、自然と調和した持続可能な地域づくりが求められています。
「自然が豊かになればなるほど地域社会も豊かになる」といったモデルを目指し、環境に低負荷な、あるいは再生に導く事業・活動をブラッシュアップします。

メンター

採択者





(3)はせたくゼミ(持続可能なシステムゼミ)
プラスチックの大量生産・消費・廃棄に起因する問題が、脱炭素社会の実現、生物多様性の回復を阻害し、人の健康をも脅かしています。2040年までに世界のプラスチックの生産量は2倍に増加し、海洋への流出量も3倍になると推定されています。
このイシューに対し、様々なステークホルダーを巻き込み、仕組みから変えていこうというビジネスモデルのブラッシュアップとその実装を目指します。

メンター

採択者






Takuya Hasegawa
長谷川 琢也
LINEヤフー株式会社
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンCo-Founder
東日本大震災の後、被災地の農産物などをネット販売する企画を立ち上げたことをきっかけに、宮城県石巻市に移住。地域を活性化させ、次の世代に続く水産業を実現するため、地元の若手漁師と共にフィッシャーマン・ジャパンを立ち上げ、水産業のイメージを「カッコよく」「稼げて」「革新的な」という「新3K」に変えていくことを目指している。
2021年、企業版ふるさと納税を活用して脱炭素事業を推進する自治体に寄付をする「地域カーボンニュートラル促進プロジェクト」の担当と、SDGsメディア「Yahoo! JAPAN SDGs」編集長に。

Daisuke Hara
原 大祐
Co.Lab 代表取締役
NPO法人西湘をあそぶ会 代表理事
1978年生まれ。神奈川県大磯町在住。漁村農村お屋敷まちが混在する大磯に惹かれ、地域資産をいかした暮らしづくりを実践中。地域のインキュベーション(県下最大の朝市「大磯市」の運営)、6次産業化(漁協直営の食堂プロデュース、加工場の運営)、里山再生(コミュニティ農園「大磯農園」の運営)、空き家空き店舗再生(カフェ、立ち飲み、本屋、雑貨店運営)、働き方改革(森のようちえん併設コワーキングスペース 「Post-CoWork」の運営)などローカルエコシステムの再構築に取り組んでいる。
Co.Lab 代表取締役|NPO法人西湘をあそぶ会 代表理事|湘南定置水産加工 代表取締役|関内イノベーションイニシアティブ 取締役|神奈川県住宅供給公社 団地共生プロデューサー(2016年〜)

Takashi Uemura
上村 崇
epiST株式会社 代表取締役社長/CEO
epiST Ventures株式会社 代表取締役CEO/マネージングパートナー
005年、AI・データサイエンスをコアとする株式会社ALBERTを創業、代表取締役社長に就任。
2015年、ALBERTの東証マザーズ市場への上場およびその後のトヨタ自動車、東京海上等との資本業務提携を実現。
ALBERT創業以来、国内の様々な大学・研究機関とのコネクションを構築し、100名以上のサイエンティスト・AIエンジニアを擁する組織に育てる。この活動の中で、日本の産学連携における課題を知り、問題意識を抱き、2019年にepiST株式会社およびepiST Ventures株式会社を創業。
epiST株式会社の代表取締役社長/CEOに就任。また、epiST Ventures株式会社の代表取締役/マネージングパートナーとしてスタートアップへの投資支援を担当。
早稲田大学卒業。

Akari Ishiguro
石黒 燈
NPO法人自然環境復元協会/もりの燈想び/木繋プロジェクト
#サーキュラーエコノミー #消費行動 #シュノーケリング
■自己紹介/経歴
1996年東京都出身。屋久島在住。
東京農工大学地域生態システム学科卒業。大学で森林科学を専攻し、森の生き物たちの関係性に興味を持つ。就活の際、自然を資源として消費する社会のあり方に違和感を抱き、屋久島に出会う。そこで”自然をいのちとして扱う”あり方に出会い、感銘を受ける。その後、NPO法人自然環境復元協会に就職し、農山村エリアの環境保全団体と協力し、関係人口を創出する地域の暮らし体験プログラムの構築を行う。また、自然をいのちとして扱う社会になるためには、まずは人間が自分たちをいのちとして扱うことが重要と考え、”人と人との間にもりのような関係性を”というテーマを掲げ、対話型ワークショップを開催。現在は、それらの活動に加え、屋久島で環境再生型ツアーの企画運営、森林浴の案内、長期滞在型の宿の運営を行っている。
■事業タイトル/概要
社会に森を育むプロジェクトfrom 屋久島
人もほかの命も、もりのような生態系の一部としてつながりあい、生かし合って生きている――そんな命としての自覚を思い出し、愛を持って地球や社会に手を入れられる人であふれる世界を目指しています。このプロジェクトでは、”勝ち残らないと生きていけない”という恐れの意識ではなく、”すべての命はつながりあっていてすでに生かされている”という愛の意識から始まる社会の在り方を探求し、意識変容を促す体験の設計・提供を行います。
自分とのつながりを育む自己理解、他者との心を開いた対話、自然の中での感動体験や循環の一部にある人々の営みに関わる体験を通して、恐れから愛へとひらかれていくプロセスを支援します。自然と共にある屋久島の暮らしやいのちの営みに学び、体験すればするほど人も自然も豊かになるしくみをデザインし、社会にもりのような関係性と循環を育みます。

Miduki Shin
新 美月
勝山市地域おこし協力隊
#サーキュラーファッション #シルク #地域内循環
■自己紹介/経歴
大学でサステナビリティと地域循環型のファッションを学ぶ中で、学術的な議論と生産現場との間に大きな乖離を感じ、2023年に1年間休学して全国各地の繊維産地を訪問しました。実際にものづくりに携わる生産者の方々から現場の声を聞き取る中で、現実に根ざした課題意識を深めていきました。
大学在学中に勝山市に移住し2025年5月からは地域おこし協力隊に就任。地域内の縫製工場と連携しながら、残反を活用した製品開発や、小学校と連携した衣服回収・再活用プロジェクトなどを実施しています。現在は、地域に根ざしたシルク産業の可能性に着目し、蚕の飼育から製品づくり、副産物の活用までを地域内で完結させる、循環型ビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
■事業タイトル/概要
育てるパジャマプロジェクト
地域資源を活かし、蚕の飼育から製品販売までを勝山市内で完結させるサーキュラーファッション事業です。桑畑の整備、蚕の飼育、地元製糸所での生糸化、織物工場での織布、縫製、販売、さらに副産物(蚕のさなぎ)の昆虫飼料としての活用までを一気通貫で行います。桑の木や蚕の「オーナー制」を導入し、消費者が育成プロセスに関わる仕組みを整備することで、産業を支える意識と循環の価値を共有できる仕組みを構築中です。現在は既成の国産糸で試作を進めながら、将来的には地域内で育てた蚕を原料とする完全な循環モデルの確立を目指しています。また、かつて勝山で盛んだった「羽二重織」の技術を継承する職人と連携し、上質な絹織物を用いたパジャマや寝具の製作にも着手しています。地域経済の循環と繊維産業の再興を図りつつ、「育てる喜び」と「地域とのつながり」を感じられる商品づくりを目指しています。

Yuta Doi
土井 佑太
Marine Sweeper
#水中清掃 #アップサイクル #海洋保全
■自己紹介/経歴
2012:県立富士高校卒業(18歳)
2016:静岡大学卒業(22歳)
2016:新卒就職(22歳)
2018:静岡へUターン転職(25歳)/海中清掃本格始動
2021年1月1日:Marine Sweeper開始(27歳)
私の取り組むMarine Sweeper活動は、スキューバーダイビングの技術によって、海底に残されてしまったゴミを回収し、回収ゴミを利用したアップサイクルを実施、製品として世の中へ送り出す社会課題解決型のビジネスです。釣り歴=年齢の私だからこそ、釣り産業の抱える構造的な問題に対して、消費者の意識改革によって社会変容を促しつつあります。
■事業タイトル/概要
Marine Sweeper
海洋ゴミは、全人類の共通課題ですが、釣りという産業を通して各産業が排出する海洋ゴミの削減を実現します。それは、斜陽である国内の釣り産業(海外は成長産業)を活性化させ、関連の海業(水産漁業マリンレジャー)へのプラスの相乗効果を産みます。海洋ゴミの減少はブルーカーボン(藻場)の増加に密接な関係があり、優秀な藻場エリアの海底ゴミ面積を減らした分は藻場面積の増加となります。海底に堆積したゴミを利活用するビジネスによって、海底ゴミの減少とそれによる水産資源の増加が加速する社会の実現をしたいと考えています。
また、本取り組みにおいては海洋保全の職務能力の高い人財を多く必要とします。Marine Sweeperは保全を求める各地へそのような人財の育成や派遣を支援します。

Hidetaka Matsubara
松原 英孝
全日本空輸株式会社
#海洋ごみ #行動変容 #八重山
■自己紹介/経歴
大学卒業後、整備士として、乗員訓練で使用するフライトシミュレーターの整備、技術、企画業務に従事、現在は、航空機整備の品質保証部門に在籍。
コロナ禍後に、家族で石垣島に帰省した際、幼少期に祖父と散歩をしていた海岸で目にした海洋漂着ごみに衝撃を受け、何とかしたい!!という思いから、海洋ゴミに関するアプローチを開始。
行く先々で海岸に行き、現地の人々との会話を重ね、人脈を形成し、社内の新規事業提案制度に挑戦。現在は、自分で拾った漂着ごみ(ペットボトル)が入った繊維を活用したアップサイクルした商品を企画、開発中。
将来の海を出来る限り元の状態に戻せるよう、小さな気付きから行動に変える仕掛け人になるべく、挑戦を継続している。
■事業タイトル/概要
海洋漂着ごみは都市鉱山?
気付きで変える未来プロジェクト!!
海洋ごみの中で多くを占めるプラスチックは自然に還るまでの期間が長いもので約600年と言われている。
増え続ける海洋プラスチックの課題を、ポジティブに解決するため、アップサイクル商品の企画販売や、キャリア教育も織り込んだ海洋ごみの環境WSを行い、課題を知って、意識が変わり、小さな行動に移すきっかけを作る。
この活動をベースに可能性の輪を広げ、関係人口を増やしながら解決に向けた動きを加速させる。

Miyuu Yagami
八神 実優
株式会社Gaiapost
#サーキュラーエコノミー #オムツ #ママ起業家
■自己紹介/経歴
埼玉県出身。1994年生。株式会社Gaiapost代表。
大学卒業後、株式会社リクルートキャリアに入社し、新卒採用・人事・管理会計を担当しました。
2019年より経済産業省に2年間出向し、科学技術イノベーション促進のための産学連携に関わる機会がありました。部署の業務の傍らで、イノベーションやサステナビリティに関する若手版審議会を立ち上げ、省内だけでなく政治家や経産大臣にも注目いただく取り組みとなりました。
複業で地域活性に取り組み、コロナ前は毎月一度は地域へ足を運んでいました。新潟県の佐渡島で感じた「自然の営みと人間の暮らしが互いに循環している」ことを、都市部にいても実感できたらと考えるようになりました。
1歳の娘を育てており、日々たくさんの紙オムツゴミが出てしまう当事者として、本事業に取り組んでいます。
■事業タイトル/概要
「ゴミ」ではなく「土」になる
リジェネラティブな子ども用のオムツ
100%生分解性の素材で子ども用のオムツをつくり、使用済みのオムツを堆肥化して、畑や花壇の土として利用する循環を創ります。
紙オムツゴミは年間約230万tと廃棄量が多く、家庭でゴミ出しをする負担も、自治体で焼却処分をする負担も大きいです。廃棄による環境への負荷も高く、日本では焼却するため、化石資源を多く使いCO2を排出しています。海外では埋め立てにより、マイクロプラスチックとなり土壌や海洋を汚染しています。オムツの素材を変えることで処理方法を変え、土として再利用するという新たな循環を生み出したいと考えています。地域に通って肌で感じた「自然の営みと人間の暮らしが循環する」あり方に豊かさを感じ、都市部にいても「人は自然の一部」と感じられるような体験やプロダクトをつくることを目指しています。
海外のドイツ、アメリカ、オーストラリアなどの事例を参考に、日本における循環のシステムづくりに挑戦しています。

Atsushi Akiyama
秋山 淳
森々燦々実行委員会
#居場所のデザイン #自然共生 #シチズンサイエンス
■自己紹介/経歴
1993年大阪府出身。兵庫県立大学大学院環境人間学専攻卒業。一級建築士。
大学では建築計画学を専攻する傍ら、在来種保存活動や環境教育活動に取り組んだのち、高齢者の交流と居場所に関する研究で修士論文執筆。地域の自然・文化価値向上と居場所のあり方についての問いを中心に活動を行なう。
大学院卒業後、建築設計の職を経て2020年に西粟倉に移住。同年7月に地域の資源と企業・研究者をつなぐプラットフォーム「一財)西粟倉むらまるごと研究所」の設立に参画し、役員・コミュニティマネージャーとして共創創発や市民科学について日々活動。2023年には建築設計事務所を設立し、コミュニティのあり方・空間設計・運営に関わる企画までを一貫して計画することを生業としている。これら背景をもとに、コミュニティデザインの視点から自然と共生する社会の実現や文化醸成を目指し、表現×科学×自然を手段として環世界の共有をおこなうプラットフォーム「森々燦々」を始動。
■事業タイトル/概要
環世界共有プラットフォーム「森々燦々」
ネイチャーポジティブやSDGsなど大きな潮流があるこの社会において、改めて「心の豊かさにつながる自然の豊かさとはなにか」を問い続ける、そして純粋に楽しむコミュニティが必要だと考えています。今回の事業では、表現や科学と地域の自然を手段として、自然を「守る対象」ではなく「共に生きる存在」として、一人一人が再認識することのできる文化を生み出すためのコミュニティ構築にチャレンジします。自然資源の可視化や数値化により「理解・知る」機会を提供できるサイエンティストと、関わり代を生み出し自然への関心・関身領域を拡張できるアーティストと地域の個性が重なり合う場を生み出すことで、自然環境に関わるデータアーカイブ化や自然資本の価値化をはかり圧倒的地域アイデンティティの創出を行います。また、コミュニティはWeb3技術を導入し、物理的エリアを超えて思想や哲学で人と自然がインタラクティブにつながるものを目指しています。

Shoki Umemoto
梅本 将輝
佐合島
#宇宙 #離島 #循環
■自己紹介/経歴
1993年、山口県生まれ。大学進学で上京後、経営コンサルを経て、現在は宇宙ビジネスの領域で0→1の事業開発に挑んでいます。
そんな中、祖父が生まれ育った瀬戸内海の離島「佐合島(さごうじま)」を継ぐことになりました。かつて千人が暮らした島は、今や住民わずか5人。限界”突破”集落――それが、この島の現実です。
これまで「穏やかで綺麗な島」としか見ていませんでした。しかし、当事者として目の当たりにしたのは、倒壊した空き家、森に飲み込まれる耕作放棄地、放置されたメガソーラー、獣害、そして枯渇する漁業資源と消えゆく藻場。陸と海にまたがる根深い課題の数々でした。
最先端の宇宙開発と、忘れ去られようとしている離島。
一見、全く無関係に見えるかもしれません。しかし、「閉鎖された環境で循環を創り出し、そこにしかない価値を拓く」という挑戦は、本質的に同じだと考えています。宇宙と離島の開拓者として、この島の再生に挑みます。
■事業タイトル/概要
島守(しまもり) 離島再生モデル
瀬戸内海の離島が直面する深刻な人口減少と高齢化は、担い手不足を招き、里海や農地の荒廃、漁業資源の減少といった環境劣化を引き起こしています。このまま無住化が進めば、インフラは維持できなくなり、島が育んできた独自の生態系や文化、そして未来への可能性そのものが失われかねません。本事業は、個別の島を活性化する「点の島おこし」ではなく、民間主導でエリア全体の生態系と経済の好循環を創出する「面の課題解決」を目指します。その核として、各島に「島守(しまもり)」を派遣する共同事業体を設立。島守は、「移動する・住む・食べる」といった暮らしの基盤を再構築しながら、耕作放棄地や里海を再生し、島の自然資本としての価値を高めます。まずは佐合島をモデルケースとし、将来的には複数の離島が連携して互いの資源や人材を補完し合う広域連携モデルを構築します。島を未来の資産に育て、世代を超えて人を惹きつける舞台にすることを目指します。

Chika Sato
佐藤 智香
特定非営利活動法人ASOIRO Company
#阿蘇 #草原維持 #羊
■自己紹介/経歴
1987年熊本県阿蘇市出身。
専門学校でプロダクトデザインを学び、自動車メーカーに就職。2012年7月の九州北部豪雨災害を機にUターン就農。熊本県有機農業研究会の研修を経て2014年新規就農者となる。
個人事業の阿蘇さとう農園では、2016年阿蘇地域にしかない伝統野菜「阿蘇高菜」の種子を活用したマスタード「阿蘇タカナード」を開発。
2020年阿蘇の草原維持を目的に羊5頭の飼育を開始。2022年精肉加工所を設け、草原維持を目的に生産された牛と羊の精肉加工と販売をスタート。2025年現在200頭の羊を飼養。
草原維持の活動を本格的に取組みたいと考え、2025年特定非営利活動法人ASOIRO Company設立。今後も阿蘇ならではの資源を活用し、再生産する事業を展開していきたいと考えている。
■事業タイトル/概要
阿蘇の草原にて好循環を生み出す羊の輪地づくり/もこもこぷりぷりプロジェクト
阿蘇地域の草原は、縄文時代から人為的に草原の状態を維持されており、現在2万ha残っている。これは日本にある草原のおよそ50%の面積がここにあるということになる。阿蘇の草原は約600種の希少植物や昆虫が生息しており、他にも炭素固定や水源涵養、土砂災害防止の役割も果たしている。しかし、その草原を維持するには毎年の野焼き作業や、放牧、採草が必要で住民だけでなく多くのボランティアが参加しても維持することが難しくなってきている。このプロジェクトでは羊の放牧を利用し、野焼きの前準備である輪地切り作業に羊を使うことで人の作業負担を軽減していきたいと考えている。羊を主軸に羊毛を使った防火マントや羊肉、羊の観光など地域での産業化を進め、担い手を維持し、草原が再生産されていく好循環を生み出したいという願いを込めたプロジェクトである。

Takeshi Fukumoto
福元 豪士
NPO法人HUB&LABO Yakushima
#地球の声を聴く #人の健康は地球の健康 #環境教育
■自己紹介/経歴
NPO法人HUB&LABO Yakushima代表理事/屋久島町ESDグローバルアドバイザー/屋久島高校地域教育・魅力化コーディネーター/プライベートガイド地球舎ナビゲーター/Årc yakushima運営メンバー/環境再生医上級
屋久島生まれ屋久島育ち。屋久島Uターンで11年目。家事と育児とライフワークのバランスを模索しながらwell-beingに暮らす。愛する我が子のために「屋久島を大好きだと誇れる」環境教育、地域づくりなど日々「屋久島環境教育の島プロジェクト」進行中。「青い地球と共に私たちはどう生きるのか?」を探究しながら、「人と自然、人と人、人と社会をつなぎ、青い地球と共に生きる文化」を目指し活動中。最近の問いは「美しいと思える風景と共に生きる人間性をどう育むか」。
■事業タイトル/概要
Earth Dialog for Regeneration Yakushima― 自然資本と共に生きる仕組みを共創する、生物多様性再生プログラムー
「屋久島から地球が見える」という我が子の一言を原点に、2021~22年は町立9校で流域ESD授業を実施、23年に「屋久島と地球の未来会議」、24年はリジェネラティブ体験ツアーで島内外の約1,000人にプログラムを実施してきました。これらを基盤に、山・川・海を教室とする教育ツーリズム「Earth Dialog for Regeneration Yakushima」を展開します。年1回の未来会議と通年フィールドワーク、環境指標ダッシュボードで生物多様性保全と地域経済を両立し、ツアー収益と基金を循環させながら屋久島発のネイチャーポジティブなモデルを国内外へ発信します。

Hiroki Hoshina
保科 宏樹
NEO-Commons株式会社
#コモンズ #SOFIX #環境再生型農業
■自己紹介/経歴
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。大学院では素粒子論に基づく初期宇宙について研究。地球温暖化のコントロールが不可能になってしまう「温暖化破局」のリスクを知り、大学院修了後は気候変動問題対策に取り組み始める。持続可能な社会の実現には循環型社会の実現と共に、人々の生活の拠り所となる「コモンズ」が必要だと考え、NEO-Commons株式会社を2025年4月に創業。現在は土壌微生物まで含めた土壌分析に基づく有機農業サポートの事業化に取り組む。次のステップとして、気候変動への緩和と適応の両面に効果があると期待される「環境再生型農業」を科学的に再現可能に実現するサポートの確立を目指し、BEE2期にエントリー。Tokyo Startup Gateway 2024 セミファイナリスト。趣味はテニス。日課は物理の勉強。
■事業タイトル/概要
科学的に再現性の高い環境再生型農業の実現による生態系の回復
本事業では、環境再生型農業を実現するために長年の試行錯誤が必要で、農業生産の安定化への道のりが不明確であるために環境再生型農業が普及しにくいという課題の解決を目指します。具体的な解決策は2つのステップからなります。第一ステップでは、微生物視点の新しい土壌分析技術である「SOFIX分析」と生態系調査により、既に環境再生型農業が成功した圃場を分析して「ゴール」を明らかにします。第二ステップでは、クライアント農家に対して、圃場の土壌分析及び生態系調査を行い、「ゴール」へのギャップを明確化することで、不足した要素を補いながら伴走して環境再生型農業の実現を目指します。これにより、農業由来の二酸化炭素排出量の削減と土壌への二酸化炭素貯留の増加、さらに圃場を中心とする土壌を含めた地域生態系回復への貢献に期待ができます。

Miki Omori
大森 美紀
株式会社Nocnum
#排水処理 #衛生 #自然と文明の共生
■自己紹介/経歴
株式会社Nocnum代表取締役。茨城県出身、岐阜県在住。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修士課程。大学では東南アジア地域の宗教と国際開発の研究を行う。共同創業者である渡部(わたなべ、Nocnum CTO)と大学で知り合い、世界の水と衛生に関する共通の課題意識を持っていたことから2022年11月に株式会社Nocnumを設立。「水と衛生の問題を人と技術の力で乗り越え、地球と人を豊かに」をミッションとして排水処理の新しいありかたの実現に向けて事業を本格始動。国内外における水問題の解決のため、分散型排水処理設備に関する技術開発・社会実装に邁進中。現在の事業はオンサイト排水処理設備の遠隔監視IoTセンサーの研究開発・実証実験・提供。
■事業タイトル/概要
水資源循環型住宅を日本から世界へー水と衛生の問題解決を目指してー
本事業は、水衛生と資源循環をテーマに、地域環境に応じた「資源循環型設備」の設計・普及を通じて、人と自然が共生する暮らしを広げることを目指します。私たちは現在、水質センサーデータからの情報を分析し、本来では遠隔での計測不可能とされてきた水質情報を推定する特許技術の活用し、浄化槽のIoTセンサーの開発・販売をしています。日本の浄化槽の管理方法のデジタル化とさらなる普及で日本国内外における分散型の水処理設備や水循環の価値が上がると信じ、この事業を実施しています。今後は既存の処理設備では難しい、排水から効率的に栄養素の回収できる資源回収設備とその自動制御システムの開発及び活用を推進していきたいと考えています。設備だけではなく、地域に合った水循環設備の設計計画と遠隔監視・制御による機器の運用状況の見える化および管理の最適化と簡易化を実現し、設備を設置して生活するだけで水衛生環境が綺麗になる世界線を目指しています。

Yuka Sugiura
杉浦 由佳
Seedlings
#自然保全 #コミュニティ主導 #アドボカシー
■自己紹介/経歴
東京大学・東京大学大学院卒業(生態学)。子供の頃から自然保全に大きな関心を持ち、将来この分野に携わりたいと思い続ける。
学生時代には自然保全に関する学術的知見を積んだ他、サステナブルファッションムーブメントMend It Mineや、気候変動COPに学生を派遣する団体を立上げる。その他、複数の自然保全機関でインターン。
新卒では経営コンサルティング会社に就職し、サステナビリティ関連のプロジェクトや海外プロジェクトに従事。その後、WWF Internationalに参画し、インド及びオランダオフィスに勤務。淡水生態系を中心として、アジアやヨーロッパにおけるクロスボーダー自然保護プログラムの立上げや、ファンドレイジング戦略を支援。
ケニアを訪れた際、自然保護地域でのコミュニティ主導の活動に大きく心を動かされ、彼らの取組を手助けする方法を模索し続け、Seedlingsを立上げた。
■事業タイトル/概要
自然の知恵を受け継ぐ人々の声を聞く
「主人公となるべき人が、主人公となる世界へ」その土地の自然、生活、文化を最も深く理解する地域コミュニティが、自ら力強く自然を守り続けられる土台を作ることを目指す。課題意識として、自然保全の意思決定では、本来主導権を握るべき地域住民の力が、経済的・政治的社会構造により発揮されにくいことがある点に注目。構造的要因を緩和し、彼らが輝く公正な自然保全の形を実現するため、ファンドレイジング、国際政策アドボカシー(地域の現状に基づいた環境課題意識発信・政策提言)、現場でのプロジェクトサポートを実施する。直近では、ケニア・マサイマラ地域におけるコミュニティ活動を支援。本事業は、地域コミュニティ自身での意思決定やプロジェクト構築を優先とし、彼らによるその実行を可能とするための役割を担う。

Soki Haruta
治田 颯希
神戸大学
#アフリカ #ごみ山 #生ごみ
■自己紹介/経歴
神戸大学国際人間科学部三年。
中学生のときにみた国際赤十字社の活動に憧れて途上国支援に興味を持ち、神戸市外国語大学国際関係学科に入学。
授業でスリランカのごみ山の環境問題と貧困問題に矛盾を感じ、ごみ問題に興味を持つ。
途上国支援に興味があるものの途上国に行ったことがないことに違和感をもち、大学一年の春にウガンダに渡航。ごみ山やスラムなど社会課題のリアルを見るとともに、国際協力の限界を感じ、ビジネスでごみ問題を解決することを考える。帰国後フィジーのNPOのサポートでフィジーのフードコートの生ごみを回収するオペレーションの構築とWaste Pickeとのたい肥の販売で売上をあげることを達成、コンポストをビジネスにできることを実証。
一連の活動を通じて環境学を専攻したいと思い、神戸大学国際人間科学部に三年次編入。2025年9月よりウガンダに再渡航し、コンポストプロジェクト実働予定。
■事業タイトル/概要
ウガンダでのコンポストビジネス
ウガンダの生ごみのたい肥化による再資源化と雇用機会創出を行います。価値がないものの価値を創出する社会を目指し、生ごみからものの価値を広げることをミッションにしています。ウガンダの首都カンパラ市内にあるナカセロマーケットから排出される生ごみをたい肥化することで従来ごみ山に投棄されていた生ごみの再資源化を行います。生ごみは廃棄されることでそれ自身だけでなく、ほかのリサイクル可能な有価物に付着し、それらが業者に有償回収されない状態を引き起こします。また、危険なごみ山で働く人々に安全で安定した雇用機会をつくることで、今の生活を守りながらもより良い暮らしができる環境をつくりたいと考えています。生ごみに価値を与えるだけでなく生ごみが奪っている価値をも取り戻す。ごみ山から生ごみがなくなり、そこで働く人たちの生活がより良くなる事業にしていきます。

Saki Maruyama
丸山 咲
Mizuka
#水の保全 #世界旅行 #サステナブル育児
■自己紹介/経歴
1991年生まれ。慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科修了。新卒で株式会社リクルートに入社し、人事・採用領域の業務に従事。独立後、「神山まるごと高専」の立ち上げに参画。日本を代表する起業家と学生を繋ぐ起業家講師プログラムや海外研修など、課外活動を企画・運営。
生後4ヶ月の娘とともに5ヶ月間、ヨーロッパ・オーストラリア・ニュージーランドをめぐる旅へ。豊かな自然と地域の暮らし、人々の育児スタイルに触れる中で、「子どもの幸せ」と「地球の未来」をつなぐライフスタイルのあり方を模索するようになる。
帰国後、使い捨ておむつをはじめとする育児に伴う大量消費・廃棄の課題に向き合い、布おむつからはじまる循環型ライフスタイルブランド「Mizuka(ミズカ)」を立ち上げ。
■事業タイトル/概要
水をMizuka - 守るサステナブルオムツの循環型プロジェクト
Mizukaは、水を守るサステナブルオムツの循環型プロジェクトです。第一弾として、使い捨ておむつの課題に向き合うプロダクト&サービスを展開。布おむつを軸に、レンタル・リユース・回収など地域と連動した循環システムを構築し、「育児=消費」という固定観念を問い直す新たな選択肢を提案しています。将来的には、おむつに限らず育児・生活用品・サービス全般へと領域を拡張し、育児期における“循環する暮らし”を支えるプラットフォームの構築を目指しています。国内外で展開可能なスケーラブルなモデルとして、海外市場への進出も合わせて準備中。

Riho Murata
村田 里穂
一般社団法人Hidamari
#森林再生 #生物多様性 #インドネシア
■自己紹介/経歴
2000年、愛知県生まれ。Nottingham Trent University, Inclusive Education 卒業。
イギリスの大学在学中に、気候変動を知り衝撃を受け、環境活動を始める。2022年、インドネシアで森林破壊を目の当たりにし、自分の人生をかけて取り組むことを決め、森林再生と野生ゾウの保護活動を行っている現地NGOとの出逢いから、共に「森林再生事業elf」を始める。
現在は、現地の森をつくる農法”アグロフォレストリー”で採れた香辛料を使ったクラフトコーラ「森のコーラ」の製造・販売や、スマトラ島のフィールドワークの開催をしている。
一般社団法人Hidamari代表理事。
■事業タイトル/概要
森林再生事業elf
スマトラ島の現地NGOがやっている、アグロフォレストリーという「森をつくる農法」で採れた香辛料を輸入し、クラフトコーラ「森のコーラ」を作り販売しています。日本で森のコーラを飲めば飲むほど、インドネシアの森が増えるという仕組みになっています。インドネシアの森林破壊は、パーム油という植物油の大量生産が主な原因で起こっています。パーム油は、ほぼすべての加工食品や洗剤やお化粧品に使用されているので、実は全ての日本人が関わっているのですが、インドネシアの森林破壊は知られておらず、「遠い国の出来事」として捉えられがちです。インドネシアの森林破壊が、「遠い国の自分とは関係のないこと」から「地球で起こっている自分事」として捉える人を増やすために、森のコーラの卸販売、小売販売や講演活動をしています。