WWF「企業の温暖化対策ランキング」第5弾『金融・保険業』


記者発表資料 2017年10月31日

長期的ビジョンを持つ保険業3社が上位にランクインも二極化の傾向

1.金融・保険業65社の温暖化対策の取組みを21の指標で評価。35社は環境報告書類がなくランク外

2.長期目標を持つ保険業の3社が上位にランクイン。一方、0点の企業が5社もあり、業界内で二極化

3.自らの温暖化対策の推進で知見を高め、投融資先の環境対策の水準を見極める力を養うべき

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトにおける報告の第5 弾として、本日、『金融・保険業』に属する日本企業65社の調査結果を発表しました。評価においては、取組みの実効性を最大限に重視しています。

重要7指標

  • 長期的なビジョン
  • 削減量の単位
  • 省エネルギー目標
  • 再生可能エネルギー目標
  • 総量削減目標の難易度
  • ライフサイクル全体での排出量把握・開示
  • 第3者による評価
順位総合得点
(100点満点)
企業目標・実績
(50点満点)
情報開示
(50点満点)
1 78.2 東京海上ホールディングス 35.2 43.1
2 75.1 MS&ADインシュアランスグループホールディングス 34.1 41.0
3 72.5 SOMPOホールディングス 35.7 36.8
4 60.0 野村ホールディングス 23.2 36.8

総合点は、東京海上ホールディングスが第1位となり、以下 MS&ADインシュアランスグループホールディングス、SOMPOホールディングス、野村ホールディングスと続きました。全21指標のうち、特に重要な7指標について見ると、1位となった東京海上HDは「長期的なビジョン」、「削減量の単位」、「目標の難易度」、「ライフサイクル全体での排出量の見える化」、「第3者による評価」の5指標で満点を獲得しています。なお、全65社のうち、2016年に環境報告書類の発行がなかった35社は評価の対象から除外し、残りの30社について評価を行いました。

金融・保険業の平均点は、34.9点となり、過去の4業種(電気機器48.7点、輸送用機器46.7点、食料品44.8点、小売業・卸売業34.1点)と比べると低い結果となりました。ただ、保険業に属する上位3社は、70点台で比較的高スコアとなりました。3社はいずれも、長期的な視点で実効性の高い取り組みを行っています。一方、三大メガバンクは、長期目標を持たず、総合得点も伸び悩む結果となりました。また、最下位の5社は温暖化対策の目標を持たず、排出量のデータ開示もないなどの理由で、0点(満点=100点)となりました。本業種内では、二極化が見られたのが特徴です。

今回の金融・保険業では、環境報告書類を作成していないのは、全65社のうち35社(54%)にものぼり、「環境コミュニケーション」に課題を抱えていることがわかりました。特に、銀行業は63%と、業種内でも悪くなっています。

金融・保険業は、投融資を通じて、他企業の温暖化対策に影響を及ぼし得るものの、自らの取り組みについては不十分なケースが多く見られました。ESG投資の流れが強まる中、自らも温暖化対策の取り組みを推進し、知見を高めることで、投融資先企業の温室効果ガスの目標設定や排出量管理といった環境対策のレベルを見極める力を養うことが求められます。

一方、本業種においては、自社の温室効果ガスの排出量データに対し、第3者機関による検証を受けている企業の割合は30%(30社中9社)と小売業・卸売業と同水準であり、高めとなっています。排出量データの信頼性を高める取り組みは電気機器、輸送用機器、食料品の3業種よりも進んでいることが分かりました。

パリ協定は世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えることを目指しています。「2度未満」に向け、企業にも長期的視点に立った実効性のある取り組みが、一層求められる時代を迎えています。WWFジャパンは、今後も各産業分野について、評価を進め、その結果を発表することで、企業の取り組みを促していきます。

報告書

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