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【動画】絶滅危惧種シベリアトラの野生復帰プログラム密着動画を公開 ~母親を失った仔トラ「フィリッパ」の16カ月の全記録~

記者発表資料 2017年6月19日

1)野生の生息数が最大で540頭といわれるシベリアトラの野生復帰密着動画を公開
2)母親を幼いうちになくし、狩りの方法も知らない仔トラの野生復帰訓練の厳しさとは
3)日本の消費者が支援出来るシベリアトラ保護の取り組み

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区 会長:德川恒孝 以下、WWFジャパン)は、極東ロシアの沿海地方を中心に生息するトラの亜種シベリアトラ(アムールトラ)の仔トラの野生復帰プログラム密着動画を公開しました。

2015年12月29日、ロシア、沿海地方、ヒョウの森国立公園からほど近い、フィリッポフカ村にて、野犬に襲われそうになっていた推定5カ月の仔トラが、国立公園のスタッフによって救われました。本来の生息場所ではない人里に現れるトラは、怪我や病気などで衰弱していることが多く、今回保護された推定5カ月とされる仔トラも母親を失い、飢えに耐えられず食べ物を求め村へ現れたと推測されています。そして、保護された村の名にちなみ「フィリッパ(Filippa)」と仔トラは名付けられました。

普通、こうした仔トラは、保護をされても命を落としてしまうか、生き延びても狩りの経験や、森で生きていく野生の力もないため、一生飼育下で過ごすことも珍しくありません。専門家による献身的な処置によって一命をとりとめたフィリッパは、その後野生復帰の訓練のため、アレクセエフカにあるリハビリセンターへ輸送されました

フィリッパのような生後5~7カ月の仔トラの場合、野生復帰までの期間は、個体差はありますが1年以上です。人馴れしないようにリハビリセンターでは人との接触は最小限に限定され、センタースタッフは基本監視モニター越しにフィリッパの訓練が順調に進んでいるか観察します。訓練では、自然界で生きていく上で必要な自ら草食動物を狩り、捕食出来る能力や、人間に対する恐怖心を覚えさせる訓練など野生の本能を取り戻すための訓練が行われました。

フィリッパは14カ月に渡る訓練を受け、2017年4月29日、再び森に帰る日が来ました。かつて多くのシベリアトラが生息していたユダヤ自治州からアムール州への州境の森へ輸送されたフィリッパは、輸送ケージの入り口が開くと、勢いよく野生復帰への一歩を踏み出しました。野生のシベリアトラがまた1頭、増えた瞬間でした。首にはGPS発信機付きの首輪が装着され、森へ帰ったあとも、しばらくその行動や、自然に適応できているかどうか追跡調査されます。

フィリッパは今後自然の厳しい環境の中生き延びてゆかなければいけません。しかしながら、極東ロシアの森では、今も違法伐採や、合法ではあるものの持続可能でない大規模伐採が続き、シベリアトラの棲む森へも影響が及んでいます。こうして生産された木材は、中国で加工されて日本へ輸入されている可能性があります。日本の消費者がFSC認証材といった持続可能な方法で生産された木材を選び、購入することがトラの棲む森の保全、そしてフィリッパがこの地で繁殖をし、未来へ命を繋いでいけることへもつながってゆきます。

WWFジャパンでは引き続き、日本の企業や消費者に対して、持続可能な方法で生産された木材の調達・購入を働きかけていきます。

シベリアトラとは

2015年の調査で、ロシアにおける野生の生息数が最大540頭といわれレッドリストでは絶滅危惧種(EN)に指定されているトラの亜種の中で最大の体躯を持つ動物です。極東ロシアの沿海地方及びハバロフスク地方の、アムール川およびウスリー川流域を中心にに生息。

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