【関連資料】RGE/APRIL 社の購入企業および投資家へのアドバイザリー(仮訳)


WWFインドネシア発表 2014年1月31日

2014年1月28日、ロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループのAPRIL社は、「持続可能な森林管理方針」を発表した。

WWFは今回の発表を慎重な姿勢を保ちながらも歓迎する。

WWFおよび他の多くのNGOは、長年にわたってロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループとAPRIL社が、インドネシアの熱帯林、泥炭地、生物種、および地域コミュニティに与えてきた破壊的影響について問題を指摘してきた。APRIL社は、過去に何度も方針を発表してきたが、どれも順守されず、何度も植林木原料のみを使用すると宣言しては、その期限を何年も先延ばしにしてきた。今回の発表では、もともと2009年だった期限が2019年へと変更された。

今回の「持続可能な森林管理方針」は、今度こそ操業と透明性を向上させようとするAPRILの意志を示しているようにみえる。しかしステークホルダーから信頼を勝ち取るためにはその意志が本物であることを明確にする必要があり、同社がいかに「持続可能な森林管理方針」を実行に移すのかが重要となる。

現在もWWFは、発表された方針の全容を把握するためのレビューを行っているが、HCVリソース・ネットワークによる査読付きのアセスメントが完了していない森林からの原料を調達しないというAPRIL社の誓約を前向きに捉えている。また誓約には、「APRIL社の所有する植林地と同規模の保護地域を支援するよう努める」ことや、植林木原料のみで操業できるようになるまではパルプ工場の新設等の生産能力の拡大をしないこと、また、独立した第三者の検証監査人を指名し、方針実施のモニタリングと検証を監督するステークホルダー諮問委員会を設立することも盛り込まれている。

しかしこの方針は、以下の点で改善と明確な定義が必要である。

  1. 方針の適用範囲を他のロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループ企業にも拡大し、インドネシア、中国、およびブラジルにある同グループの工場も、方針に従わない世界のサプライヤーの伐採許可地からのチップは受け入れないと徹底すること。またAPRIL社のシェアホルダーが方針に従わない工場を新設させないこと。
  2. 全てのサプライヤーの伐採許可地において、皆伐および泥炭地開発を直ちに一時停止することを明確にし、第三者による保護価値の高さと炭素貯蔵量のアセスメントが、NGOの勧告にも沿う形で完了するまで継続すること。
  3. 保護価値の高さを測るアセスメントが終了していても、市民社会によって疑義が示されている全ての伐採許可地において伐採を一時停止すると明確にすること。これにより保護価値の高さのアセスメントを再確認し、またHCVリソース・ネットワークによる検証も可能になる。
  4. 2014年内に使用する原料を植林木のみとすること。確実なプロセスおよび独立の第三者によるモニタリングがなければ、保護価値の高い地域および高炭素蓄積地から原料が工場に流入し続ける可能性がある。
  5. 方針の影響度が判断可能なようにロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループのサプライヤーの伐採許可地および原料供給計画のすべてを第三者がレビュー可能なよう公開すること。
  6. 補填する保護地域の一つずつを誓約すること。
  7. 重要ステークホルダーを直ちに招集し方針改善のための場を設け、方針の実施とモニタリングについて話し合うこと。
  8. ステークホルダー諮問委員会を信頼できる独立した組織とし、方針の改善と効果的な実施に継続的に取組むよう徹底すること。

WWFは、APRIL社およびその関連企業からの調達と投資には、慎重な姿勢を保つよう企業に対して勧める。それはAPRIL社が方針を改善し、独立した第三者によってロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループ全体が泥炭地からの排水、保護価値の高い地域と高炭素蓄積地からの開発と原料調達を停止し、また長期に及ぶ社会的な問題が解決したと確認するまでである。またWWFは、ロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループおよびAPRIL社に対し、2013年9月にエンバイロメンタル・ペーパー・ネットワークが発表した報告書でAPP社が今後解決すべき課題をまとめたものと同様のものを解決するよう強く求める。

WWFは、アイズ・オン・ザ・フォレストおよびカリマンタンにて森林モニタリングを行うNGOの連合体RPHKとともに、APRIL社の操業のモニタリングを継続する。

原文はこちら(PDF)

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