WWF、国連気候変動会議の膠着に対する重大な憂慮を表明


声明 2013年11月21日

WWFインターナショナルを含む6つのNGO(グリーンピース、オックスファム、ITUC(国際労働組合総連合)、Friends of the Earth(FoE)、ActionAid)は、本日、ポーランド・ワルシャワ会議(COP19・COPMOP9)での交渉進展が、あまりにも現実の緊急性からかけ離れていることへの重大な懸念と抗議の意を表明するための行動として、会議場から「ウォークアウト(自発的退場)」を行いました。
2013年11月11日からポーランド・ワルシャワで開催されているCOP19・COPMOP9では、現状では明らかに足りない各国の排出削減量の底上げをはかり、2015年での新たな国際枠組み合意へ向けての道筋を作ることを主な目的としてやってきました。

本年9月に発表されたIPCCの第5次評価報告書・第1作業部会報告書では、気候変動が人為的起源であることをかつてないほどの確信を持って指摘し、刻々と進行する気候変動への警鐘を鳴らしました。おりしも、フィリピンおよびその周辺地域を襲った巨大台風によって、気候変動が進行した際の異常気象災害を予見するような惨状が大きな話題となり、気候変動対策の緊急性については、各国が共有したかのように見えていました。

しかし、会議は半ば「通常通り」のこう着状態に陥りました。日本やオーストラリアなど、これまで発表していた削減目標から後退して、会議全体の雰囲気に水をさす傾向すら出ている有様です。

「このままではいけない」-------- 2015年での合意を本当に意味ある形で達成するためには、「いつも通り」のこう着状態を受け入れ、例年通りの妥協の産物で満足してはならないとの切実な思いから、WWFを含む6団体は、この会議から、あえて自発的に退場するという行動をもってその懸念と抗議の意志を訴えることを決めました。

WWFは、多国間交渉の場である国連気候変動会議のプロセスそのものは強く支持しています。各国の政治的な意志があれば、もっと多くのことがこの国連気候変動会議の場では達成できるはずであり、これから2015年までの間には達成していく必要があることを訴えるための行動です。

議長国ポーランドおよび交渉に参加する国々が、WWFを含む6団体が出て行くに至ったことの意味をうけとめ、少しでもこのプロセスを加速するきっかけとなることを切望しています。来年リマで開催されるCOP20において私たちは各国政府が世界の市民の声を聞いて、意義ある合意に達することを見届けに戻ってきます。

■お問い合せ先:

WWFインターナショナル
Samantha Smith, ssmiht@wwf.no , mobile; +47 450 22 149
Mandy Woods, email: mwoods@wwf.org.za, mobile: +48 515 289 239 (Warsaw)
Ian Morrison, email: ian.morrison@wwfus.org, mobile: +1 202 372 6373

WWFジャパン気候変動・エネルギーグループ 山岸尚之(現地携帯:+81-90-6471-1432)、小西雅子
※両名とも、11月23日までワルシャワ会議に参加しています。
Tel: 03-3769-3509 / Fax: 03-3769-1717 /Email: climatechange@wwf.or.jp

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