2013年 第85回 全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)会合はじまる


2013年6月10日から、メキシコのベラクルスで、IATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)の第85回年次会合が開催されています。今回の会議の主な議題は、日本船も漁獲しているメバチと太平洋クロマグロ(本まぐろ)およびキハダの資源保護のための管理措置について。WWFもこの会議にスタッフを派遣し、持続可能なまぐろ漁業を実現するために必要な「責任ある資源管理」の拡充を、参加各国に対し、強く要望しています。

東部太平洋のマグロ資源のゆくえ

メキシコをはじめとする中米諸国の海岸線に面した東部太平洋は、メバチやキハダ、クロマグロなどのマグロ類の漁場です。

そのマグロ資源は現在、巨大な産業を生み出し、沿岸域で生活する多くの人々の暮らしに、社会的・経済的にもかかわる、大きな要素となっています。

この海域の資源と環境を守る上で、東部太平洋のマグロ資源の管理をリードする国際的な漁業管理機関「IATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)」は、重要な役割を担っています。

2013年6月10日から14日まで、メキシコのベラクルスで開催されている、その第85回目の年次会合には、メキシコ、コスタリカ、パナマ、ベネズエラ、エクアドルといった、ラテンアメリカ諸国をはじめ、日本、韓国、米国、カナダ、EU、中国など、この海域のマグロ漁業にかかわっている国々が参加。主に、メバチ、キハダ、太平洋クロマグロの資源管理のための措置について話し合います。

このIATTCに加盟する国々が、持続可能なマグロ漁業を実現するために、その「責任ある資源管理」に取り組み、拡充していくことができるかどうか。それに向けた合意が成立するかどうかが、東部太平洋海域におけるマグロ資源の未来を左右します。

WWFの要望

今回、WWFジャパンはスタッフを現地の会議に派遣。

WWFとして以下の課題に注目し、IATTCおよび参加加盟国に対し要望しています。

世界の海のマグロ類の資源管理にかかわる国際機関。海域や魚種によって管轄が異なる。
くわしく見る

上から、メバチ、キハダ、クロマグロ

1)漁獲管理ルールの策定と適切な基準点を採択すること

2)魚種ごとの管理措置について、以下の点を強く要望します。

ⅰ)メバチ、キハダの2種のマグロ
科学的知見において不確実性が指摘されている点に注目し、IATTC加盟国がアンティグア条約において合意されたように予防原則に基付いた資源管理に取り組むこと
また、メバチ、キハダ両種の管理措置を含む「C-12-01」を2015年1月まで延長して導入すること。

ⅱ)太平洋クロマグロ
漁獲による死亡数を減らし、太平洋クロマグロの若齢魚を保護できるよう適切な管理を行なうこと。
さらに、IATTCが中西部太平洋マグロ保全委員会(WCPFC)に働きかけ、類似の管理措置を導入するよう協働すること。

3)漁船キャパシティ(隻数・トン数)の管理について

現在の過剰なキャパシティ削減によってオフセットが可能とならない限り、IATTCにおいて新たなキャパシティの増加が許可されないこと

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