コンゴ民主共和国:アフリカ・コンゴ盆地でのREDD+デモンストレーション事業


求められる開発と保全のバランス

アフリカ中部のコンゴ盆地に広がる熱帯雨林は、アマゾンに次いで世界2番目の広さを持つ森林です。ただ、アマゾンの熱帯雨林とは違い、コンゴ盆地での森林減少率は比較的低いままです。そのおかげで、この地域には広大な森林が今も残されており、「グリーン・ハート・オブ・アフリカ」と呼ばれています。

コンゴ民主共和国(DRC)内に300万ヘクタール以上にも亘って広がるマインドンベには、熱帯湿潤林やサバンナ、泥炭湿地林といった多様な生態系が見られます。人口密度は低く、住民の大半は狩猟や釣り、林産物の採集が主体の、昔ながらの生活を送っています。また、4大類人猿の一つで絶滅危惧種でもあるボノボの生息地であり、野生のものはもはやここにしかいません。

森林減少率が現在は低いコンゴ民主共和国ですが、マインドンベ地方では比較的高くなっています。その原因は、農業への移行や薪利用、及び地元や地域で消費される炭生産です。

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大規模農業や基礎的な交通インフラの改善、及び鉱物資源採掘や木材伐採への権利許諾のために湿地を干拓する開発計画もあり、森林の損失が加速する恐れがあります。住民や野生生物の命を支えている森の保全とバランスが取れた地域開発にならなければいけません。

WWFのREDD+事業

WWFはマインドンベ地方で、コミュニティのREDD+参画を確立する活動を行なっています。
コミュニティや政府と連携し、この地域の広大な森林の保護と両立した持続的森林利用とコミュニティ開発をサポートするようなREDD+の計画が、今後進められていくことを目指しています。

森林の損失を本当に削減するには、マインドンベ地方のような広大な景観(ランドスケープ)規模でのプロジェクトが求められます。
それによって、森林減少と森林劣化からの持続的な温室効果ガス削減が達成されるのです。

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しかしながら、排出を削減するだけでは十分ではありません。REDD+は人々の幸福と健全な自然をサポートするようなものでなければいけません。WWFの活動は森林の健全さ、諸々の環境サービスを支えている森林の力、そしてこの森林がかくまっている世界的に重要な生物多様性、これらを保つことに力点を置いています

森林に依存しているコミュニティの参画は、REDD+に限らずどのような森林保全活動においても欠かせない要素です。森林減少による損失を最も被るのはこのようなコミュニティであり、同時に森林を管理し守る者として活動できる最善の立場にあるのも、多くの場合コミュニティを構成する地域の人々です。

WWFは、「参加型ゾーニング」という手法を通じて、マインドンベ地方のコミュニティと協働し、土地利用政策に対する彼らの声と影響力を大きくすることを目指しています。

特に、社会の隅に現在追いやられてしまっているグループに焦点を当てています。こうしたコミュニティに対し、彼らの土地利用及びその他権利に影響を与えかねない政策、法律、そして契約の問題について、情報がしっかりと提供されるようにし、コミュニティの幅広い参加を伴った透明な意思決定プロセスをサポートしていきます。

また、コミュニティのREDD+プロセスへの参画改善を支援するため、コミュニティによる炭素蓄積モニタリングと計測が出来るようなトレーニングも実施しています。

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