ペットを外に放さないで!奄美大島で外来種の出前授業


こんにちは。沖縄の石垣島より「しらほサンゴ村」の杉山です。

先日、奄美大島で小学校の出前授業に行ってきました。

テーマは外来種。

私たちが長年取り組んでいる南西諸島の自然を守る活動の一環です。

豊かな自然が残る奄美大島

この島々では今、野外に放されたり、逃げ出したペットなどの生物が「外来種」となって、もともとその場所に生息していた生物(在来種)を脅かしています。

特に南西諸島は、ヤンバルクイナをはじめ世界でここにしかいない貴重な在来種が多いため、これが深刻な問題に。

奄美大島でも今年、野生化したネコ(ノネコ)が、固有種のアマミノクロウサギを捕食する映像が撮影されるなど、その被害も明らかになっています。

奄美大島と徳之島の固有種アマミノクロウサギ

地元自治体の奄美市では、家庭で飼われているネコが野生化しないように、飼養条例の整備や、避妊去勢手術などの補助を行なっていますが、何より大切なのは、飼い主の意識を変えること。

そこで私たちは、ネコの飼育管理の普及啓発に取り組む地元NPOと連携し、適正な飼育について、小中学生を対象に出前授業を行なう活動を展開しています。

6月11日に奄美市の市小学校で行なった出前授業には、日曜参観の保護者の方々も参加。

奄美の貴重な自然環境、身近な生き物であるネコによる被害とその対策や制度を解説し、この問題への理解を親子でしっかり深めていただきました。

ケナガネズミ。これも南西諸島だけに生息する固有種です

開催後に子どもたちからは「飼育をきちんとすることがアマミノクロウサギを守ることに繋がることが分かった」など嬉しい感想が聞かれました。

島全体のネコの飼育管理が向上するように、今後も教材や説明コンテンツ作りの支援を続け、より楽しく、分かりやすい授業が実施できるよう取り組んでいきたいと思います。

関連記事

関連情報

ネコの問題について語るNPO奄美猫部の久野さんと、話を聞く子どもたち。日曜参観で保護者の方も一緒に学びました

この記事をシェアする

自然保護室(コンサベーションコミュニケーション)
杉山 遥

WWFの様々な自然保護活動のサポートおよび局内外のコミュニケーションを担当。

大学卒業後に環境省の対馬事務所で働き始めたことから自然保護の道へ。対馬→マラウイ→飛騨→デンマークと紆余曲折を経て、WWFへ来ました。4年半の石垣島勤務を経て、2021年10月よりコンサベーションコミュニケーションGへ配属。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP