ワシントン条約のメディア向け勉強会を開催しました


先日、ワシントン条約についてのメディア関係者向けの勉強会を行ないました。

これは、今年9月に開かれた、ワシントン条約第17回締約国会議(CITES COP17)の結果を受けて開催したものです。

ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物を守るため、その国際取引を規制する世界の約束です。

今回の会議でも、各国の政府代表によりさまざまな決議が行なわれました。

勉強会では、その中から特に日本と関わりの深い4種の生物、アフリカゾウ、ヨウム、ローズウッド、ヨーロッパウナギについて解説。

WWFジャパンで野生生物の国際取引を監視する取り組みを行なっている、トラフィック・ジャパンオフィスのスタッフから、COP17の結果が、今後の日本への輸入や国内での取引にどのように影響するかをお話しし、求められる取引管理の強化について展望を伝えました。

また、ワシントン条約以外の最近の世界の動きも紹介。

メディア向け勉強会の様子

日本では大きく報道されませんでしたが、今年と昨年の国連総会や、11月にベトナムで開催された「第3回違法な野生生物取引に関する会議」などで、違法取引をなくすための決議や声明が採択されたことなど、野生生物犯罪に対する国際社会の意識の高まりをお伝えしました。

野生生物の違法取引は今や、麻薬、銃器、模造品、そして人身売買と共に、世界の五大違法取引問題とされ、他の犯罪行為の資金源になっている可能性も指摘されています。

日本では残念ながら十分に認識されていませんが、それは環境問題や動物保護にとどまらない、安全保障や社会、経済の問題でもあります。

野生生物犯罪をゼロにするために、どこの国も属さない独自の立場から、引き続き正確な情報をお伝えしていきたいと思います。(広報 新井)

南アフリカ共和国、ヨハネスブルグで開催されたCOP17

関連情報

関連サイト:トラフィック・ジャパンオフィスのサイト

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ブランドコミュニケーション室(メディア)
新井 秀子

WWFの活動情報を主に報道関係者向けに発信しています。

地球環境問題に取組む研究者になろうと決意して、民間企業を辞めて大学院に。在学中に霞ヶ浦流域河川の市民調査に携わり、市民活動の意義を体得。水質調査に行ったフィリピンで褐色の山々に衝撃を受け、何とかしたいと、研究者の道よりWWFを選択。あきらめずに一歩ずつ進んでいます。

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