目指してみませんか? 温暖化対策の「専門家」


温暖化・エネルギー担当の山岸です。
先週のことになりますが、私が約4年間、委員として出席していた内閣府の「カーボンマネジャー ワーキングループ」が、その役目を終え、終了しました。

この聞きなれない名前のワーキング・グループは、実は、世の中で温暖化対策の専門家を増やすことを目的とした内閣府の「キャリア段位制度」を検討するものでした。

「キャリア段位制度」とは、内閣府が作ったある種の資格制度のようなものです。

「ようなもの」と書いたのは、正確には「資格」と違い、その資格があれば何か特別なことが出来る(例:運転ができる、公務員になれる、など)というものではなく、温暖化対策について、その人がどの程度「わかって、できるのか」を評価して、レベルを証明する制度だからです。

温暖化対策分野の他に、介護や6次産業にも同様の仕組みが存在していて、私たちのワーキング・グループは、温暖化対策の分野で、その段位(レベル1〜7)ごとに何が出来ているべきなのかを決めるという作業をしていました。

私自身は、別に工場の省エネ対策の専門家でもなければ、人材育成の専門家でもないのですが、温暖化対策に詳しい人が社会の中で「専門家」として認められる機会が増えれば、温暖化対策のすそ野が広がることにもきっと貢献するはずという想いの下、参加してきました。

すでに制度としても始まっており、一般の方でもトライすることができます。

実は、この仕組みの検討が始まった直後に震災があり、世間の温暖化対策への関心が下がってしまったこともあって、この制度自体の知名度もイマイチです。

このため、来年度(4月から)は、名前も「エネルギー・環境マネジャー段位制度」に切り替えて再出発します。また、既に「eco検定」を持っている方は、レベル1の認定申請料が無料になりました。

季節は春。ご興味が湧いた方は、今年度「チャレンジすること」リストの一つに加えてみて下さい。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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