COP20終幕へ 11日の「気候行動デー」


ペルーのリマより、温暖化担当の山岸です。
国連の気候変動会議(COP20)も大詰めを迎えた11日、会場では「気候行動デー」を記念した「気候行動ダイアローグ(対話)」という会合が開かれました。

会合には、国連事務総長、IPCC議長、ペルー大統領などの要が登壇。

また、昨年のCOP19で気候変動に果たす役割が注目され始めた先住民、女性、NGO、自治体、産業界、金融業界の代表など、基本的に各国の政府代表が交渉するCOPでは、なかなか意見を発表できない立場の人たちがスピーチを行ないました。

終盤を迎えたCOP20。厳しい交渉が続きます

特に、経済活動を脅かす気候変動を防ぐため、設備投資や融資対象を化石燃料から再生可能エネルギーに転換し、低炭素経済への移行を進めようとしている、産業界や金融機関の発表は注目を集めていました。

主だったスピーチの言葉をご紹介しましょう。

「我々は皆、宇宙船地球号に乗っており、一つしかないこの船を倫理的に操縦しなければならない」(ラジェンドラ・パチャウリIPCC議長)

気候変動の活動家して世界を駆けまわるアル・ゴア。力強いスピーチを行なった

「ペルーは気候変動の分野で世界を先導する役割を果たす。GCF(緑の気候基金)を資金で満たすこと、2015パリ合意に向かう道を開くことをリマの成果にしたい」(オジャンタ・ウマラ ペルー共和国大統領)

「ナスカの地上絵が高い山から見下ろせばわかるように描かれたように、われわれは次世代から現在を見て、未来の社会を設計しなければならない」(アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領)

「今日は気候行動デーだが、来年は気候行動年に、21世紀は気候行動世紀になるだろう」(クリスチアーナ・フィゲレス国連気候変動枠組条約事務局長)

COP21の開催地フランスのブース。リマからパリへの道は開かれるか

このダイアローグは、アル・ゴアの次の言葉で閉会しました。
「2014年12月14日は、2015年にパリで描く絵の下絵が完成する日になるだろう」

1日から始まったCOP20も、いよいよ終幕です。

願いを叶えるお守りエケコ人形。COP20の成果もお願いします

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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