|

|
|
サンゴ礁の危機
南西諸島の中心に位置する沖縄の海では、昔から素晴らしいサンゴ礁を見ることができました。
しかし、第二次世界大戦後、とりわけ沖縄が日本に返還されて以来、大規模な空港や道路、ダムの建設などが行なわれ、また亜熱帯林の伐採や土地改良事業などが進められた結果、表土(赤土)がひんぱんに海に流れ込むようになり、サンゴ礁環境は重大な悪影響を被るようになりました。
さらに、 1970年代にはサンゴを食べるオニヒトデが大発生。これが、追い討ちをかける形になり、沖縄のサンゴは9割が死滅したとまでいわれるほど被害を受けたのです。 |
サンゴを食べるオニヒトデ。大発生すると、サンゴ礁に大きな被害を与える。 |
サンゴ礁の海を脅かすもの
|
|
| ● |
埋め立てや護岸工事などは、直接サンゴ礁を破壊するばかりでなく、海をきれいにするゴカイなど、小さな生きものたちの生息地をも破壊します。また、それを食べる大きな生きものも見られなくなります。 |
| ● |
森林伐採や農地整備などが進むと、遮るものの無くなった赤土がより多く、川へ、さらに海へと流れ込むようになります。 |
| ● |
赤土が海水の透明度を下げたり、サンゴに直接被ると、サンゴは衰弱したり死滅
したりします。工場や家庭からの排水も海を汚す原因になっています。 |
| ● |
海の汚染が進んだり、海水温の高い状態が続くと、サンゴの白化などが起きます。また、このような海の環境の異常は、オニヒトデが大発生する原因にもなるのではないかと考えられています。 |
|
サンゴが広範囲にわたって一度死滅すると、サンゴ礁の生態系が大きく変わってしまい、そこにいた多くの生物たちは姿を消してしまいます。また、漁業なども出来なくなります。サンゴは生育が遅いため、回復には数年から数十年、時には100年以上の年月が必要になるといわれています。
|

人に踏みつけられて折れた白保の葉状サンゴ群落。サンゴはさまざまなストレスにさらされている。 |
■白保のサンゴ礁の危機
これらの深刻な脅威をまぬがれてきた白保のサンゴ礁もまた、さまざまな危機にさらされてきました。
1979年に発表された新石垣空港の建設計画はその最初の大きな危機でした。この計画では当初、サンゴ礁の海を埋め立てて空港を建設することになっていました。
これに対し、地元白保では根強い反対運動が展開され、WWFもその活動を支援してきました。その結果、サンゴ礁を埋め立てる計画は中止に追い込まれたものの、現在も白保の海岸付近で建設する計画が進められており、事業による海への影響が懸念されています。
この他にも、海水温が上昇した時などに集中して見られるサンゴの「白化」も、規模の差はあれ、毎年のように記録されており、陸からの赤土の流入によるサンゴ礁環境への影響も深刻になっています。
また、白保サンゴ礁はグラスボートを使ってのシュノーケルが盛んですが、観光客の中には、十分な知識や技術がないために、足ヒレでサンゴを蹴ったり、サンゴの上に立ったりして、傷つけてしまうことがあります。
さまざまな問題に対応するために、「しらほサンゴ村」は、赤土やサンゴ礁環境についての調査を実施し、地域住民の方々にサンゴ礁環境の現状についてより深く知ってもらい、賢明に利用できるようなルールやマナーを共に考えていく活動を行なっています。また、このような地域に根ざした取り組みをすすめる一方で、環境に大きな影響を及ぼすおそれのある開発計画などに対し、提言や見直しを求める活動にも取り組んでいます。
|