海の話
地球上の7割を占める海。
広い海は、魚や貝など、たくさんの生きものを育む、自然の恵みの宝庫です。
でも、その恵みが今、年々少なくなっています。
原因は、人が資源を獲りすぎていること。そして、魚などが育つ環境が悪くなってきたことです。
色とりどりのきれいなサンゴの海なども、世界のあちこちで年々減っています。
ウミガメの親子の会話に耳をかたむけてみましょう。


海の恵みはどうなるの?
魚が少なくなっている、って本当?

(C)Jurgen FREUND /WWF-Canon
人が食べるために獲る魚は、この50年くらいで、3倍から4倍に増えてきたんだ。種類によっては、とても数が減って、食べるのが難しくなってしまった魚もいる。人気のあるマグロも、そんな魚の一つになろうとしているんだ。特に日本は、マグロをよく食べる国で、外国からもたくさん輸入しているよ。
魚は養殖すればたくさん増えるって聞いたことがあるよ?
そうだね。でも養殖にも問題はあるんだ。たとえば、大きな魚を養殖するには、イワシのような小魚をその何倍も獲って食べさせなくちゃいけない。海の資源をたくさん使ってしまうんだね。それに、与えた餌が腐って海を汚してしまうこともある。何より、人が食べる魚は量が多すぎて、全て養殖することはできないんだ。
魚を獲る網に、他の生きものがかかっているのをみたよ

(C)Jason RUBENS /WWF-Canon
それは、本当は獲る必要のない海の生きもの、たとえば、私たちみたいなウミガメや、アザラシ、サメ、アホウドリのような海鳥などを、間違えて網にかけてしまう「混獲(こんかく)」だ。これが、毎年世界中で何万頭もの海の動物を死なせているんだ。
網が引き起こす被害は、他にもある。海底を削るようにして網を引く漁の方法があるんだが、これは、たくさんの生きものを混獲してしまう上、海底の自然をめちゃくちゃにしてしまうんだ。こうなると、魚はもう戻ってこない。
海の環境も悪くなっているんだね
そう。海の熱帯林と呼ばれるくらい、たくさんの生きものがいるサンゴ礁も、世界中で破壊され、減ってしている。埋め立てが進んだり、温暖化で海の水温が高くなったり、汚れた水が流れ込んだりすることが原因だ。
温かい海の海岸で見られるマングローブという森も、サンゴ礁と同じくたくさんの生きものがすむ場所だけれど、魚やエビの養殖場が作られたり、伐採されたりして、同じように世界中で減っているよ。
海の環境を守るにはどうすればいいんだろう?
まず、海の自然を壊さないようにすること。
マングローブやサンゴ礁のような卵を生んで育つことができる自然がないと、魚も貝は数が減ったまま戻らない。
そして、魚を獲るときには、混獲が起きないように気をつけながら、未来のことを考えて、獲り尽したりしないようにすることが大切だ。
海は一つにつながっているのだから、世界中のみんなが協力していかないといけないね。


(C)Cat HOLLOWAY/ WWF-Canon
WWFの活動
WWFでは、世界各地のサンゴ礁やマングローブなどの自然を守り、混獲を減らすための活動に取り組んでいます。そして、マグロのように、獲りすぎが問題になっている魚については、獲り尽されてしまわないように、世界の国々の政府に働きかけを行なっています。
また、法律を守り、海の自然を壊さないように気をつけながら獲られた魚介類に「MSC」というマークを付ける活動も進めています。このMSCのマークがついた商品を買うことで、みんなが海の環境や魚を守る手助けができるのです。
日本でも、石垣島のサンゴ礁や、日本がたくさんの魚を輸入している黄海などの保全に取り組みながら、MSCを国内で広げる活動を行なっています。


(C)WWF-Japan/ Illust:Kazue Tokuda





