ページ内を移動するためのリンクです。

生きている地球

(1)30年で自然の3割が減少

野生からの警鐘

かつて、中米グァテマラのアティトラン湖には、世界でただ一ヵ所、この湖にだけ生息する、グァテマラカイツブリという水鳥が生息していました。

その絶滅が確認されたのは、1986年。グァテマラを襲った大地震で湖の水位が下がったことや、内戦の勃発、そして何よりも、湖の環境悪化が進んだことが、その原因でした。

グァテマラカイツブリのすみかであった、高地の澄んだ湖水に汚水が流れ込み、栄巣場所であった湖岸のアシ原は開発され、湖に放たれた外来魚ブラックバスにヒナが襲われたためです。

このグァテマラカイツブリの例は、よく知られた近年の野生動物の絶滅例であると共に、特定の地域の水環境が、汚染や開発、そして外来種によって、大きく劣化し、その豊かさを失ってきた経緯を示すものといえます。

そして今、世界の各地では、絶滅こそしていないものの、自然環境の悪化により、同様の危機にある野性生物が、数多く確認されています。

lllust(c)WWF-Canon/Paul BARRUEL
グァテマラカイツブリ(Podilymbus gigas)オオオビハシカイツブリともいう。アメリカ人のナチュラリスト、アン・カバスティール女史が中心となった懸命の保護活動により、一時は200羽まで回復したが、その後、減少を続け絶命した。その経緯は、女史の著作「絶滅した水鳥の湖」(晶文社)に詳しい。

自然の豊かさは30%減

WWFは2010年10月13日、ロンドン動物学協会(ZSL)、およびグローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)と共に制作した、『Living Planet Report:生きている地球レポート』の2010年版を発表。その中で、人類の消費による世界的な地球環境の危機を指摘しました。

この『生きている地球レポート』は、1998年にWWFが初めて発表したもので、地球の生物多様性の劣化と、人類による環境への圧力を、数値化したものです。

地球の生物多様性の劣化を示す「LPI:Living Planet Index(生きている地球指数)」は、世界各地の陸域、川や湖などの淡水域、海洋に生息する、2,500種以上の野生生物について、約8,000の地域個体群を対象に、1970年からの個体数変動を集計し、試算しました。

この結果、「生きている地球指数」は、1970年時点と比較して、世界平均で30%近く減少。とりわけ熱帯の指数は60%も低下していることが明らかになり、熱帯林の伐採や、さまざまな開発や土地利用のあり方が、大きな影響を及ぼしていることが分かりました。

また、淡水や、海洋の環境も、汚染や漁業資源の使いすぎなどにより、大きく悪化しています。陸海を問わぬ、地球全体の自然環境の悪化。それはいずれも、人類による地球の「使いすぎ」により引き起こされている問題です。

[生きている地球の指数]
環境の豊かさがどれくらい失われたかを示す。
地域、淡水、海洋の3つの指数の平均した。基準となる1970年以降、その数値は30%減少している。

生きている地球レポート

WWFを支援してください 未来のために、あなたができること WWFのサポーターとなって、その活動をご支援いただくこと。それは、社会により大きな変化をもたらし、人と自然が共に生きられる未来を築く、第一歩です。 美しい地球を子どもたちに手渡すため、ぜひ、あなたの力を貸してください。 未来のために、あなたができること