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WWFの活動

黄海エコリージョン支援プロジェクト

黄海エコリージョン支援プロジェクトでは、科学的な評価によって明らかにされた優先保全地域を中心に、いくつかの沿岸地域で人々への働きかけを行ない、自治体や学校、そして漁業などに関わる人々と、黄海の大切さ、豊かさについて、意識や考え方を共有し、自主的な環境保全に取り組んでもらうことを目指しています。また同時に、水産資源の保全や、その持続的な利用の方法の確立も目指しています。

地域主体の海洋保全を支援

優先保全地域に基づく活動計画

2007年9月に発足した「黄海エコリージョン支援プロジェクト」は、優先保全地域マップで明らかにされた黄海の重要な沿岸域を中心に、地域社会が主体となった海の保全活動を促進しています。

WWFとKORDI(韓国海洋研究院)とKEI(韓国環境政策評価研究院)は、2002年7月から、黄海の海洋生態系を支えている、さまざまな生きものにとって重要な生息地を明らかにする、「黄海エコリージョン優先保全地域マップ」の作成に取り組んできました。
そして、2006年12月にマップを一般公開。広大な黄海エコリージョンにおいて、どこを優先的に保全すれば、効率よく、高い効果が得られるかが明らかになりました。

この明らかになった地域を中心に、中国および韓国の沿岸部において、実際の保全活動を支援し、推進してゆくのが、「黄海エコリージョン支援プロジェクト」です。このプロジェクトは、、2014年までの長期的な計画に基づき、進められています。

「地元が主役」の取り組み

環境保全の取り組みの主役は、あくまでも地域の人々です。
とりわけ黄海は、昔から人と海とのつながりが深い、「アジアの里海」ともいうべき海域。その海の生態系を保全するためには、人の暮らしの発展と環境保全を両立してゆくことが重要です。

この取り組みでは、地域の自治体や学校、そして漁業などに関わる人々と、黄海の大切さ、豊かさについて意識や考え方を共有し、自主的に環境の保全に取り組んでもらうことを目指しています。これは同時に、地域の経済を支えている水産資源の保全や、その持続的な利用の方法を確立してゆく取り組みでもあります。

2007年9月に、「黄海エコリージョン支援プロジェクト」が中国の北京で正式に発足すると、WWFとKORDIは、地域社会が主体となって実施する環境保全を支援するため、活動を助成する団体を公募。選ばれた団体に、活動資金や他の地域や活動についての情報を提供していきます。

プロジェクトでは、この地域における取り組みを、振興策として活性化・継続化し、他の沿岸の地域にも広めてゆくことで、黄海エコリージョン全体の保全に活動を拡大してゆくことを目的にしています。

モデルとなった日本での取り組み

WWFジャパンは、黄海と環境の似た佐賀県鹿島市の有明海沿岸で、これまで成果を挙げてきた「地域主体型」の保全活動をモデルとし、現在、黄海沿岸で、地域の人々への働きかけを行なっています。

WWFジャパンは、 2002年10月、韓国およびWWF中国の、黄海エコリージョン担当者を、佐賀県鹿島市に招いて、ワークショップを開催。それぞれのエコリージョン担当者が、鹿島市役所の方々や、学校関係者、町おこしグルー プの方々に、干潟の環境保全に取り組む地域としての考え方や、積極的に行なっている干潟の利用などについて話を聞きました。そして、それを基に、黄海の普及・啓発プログラムを検討し、今後、自国でどのような保全活動を行なうか、その計画を立てました。

その後、 このワークショップを受けて、中国の長江河口に位置する上海市崇明東灘と、韓国の錦江河口の群山市で、地域の人々による活動が展開されることになり、これが、それぞれの国内におけるプロジェクトの「普及啓発モデル地域」となりました。
このモデル地域での活動は、プロジェクトが支援した最初の現場での環境保全となっただけでなく、2007年9月以降、「黄海エコリージョン支援プロジェクト」で、助成してゆくことになるさまざまな活動を検討し、決めてゆく際のモデルとなるものです。

プロジェクトの支援・協力体制

黄海の環境の重要性を明らかにする科学者や研究機関。その自然に直に接し、利用と保全に最も深くかかわっている地域の人々。広大な海の保全計画を立て、そこに参加する多様な人材のコーディネートを担う、国際機関やNGO。そして、取り組みを支える資金提供を行なっている企業。「黄海エコリージョン支援プロジェクト」は、さまざまな団体、機関、企業の協力により行なわれています。

日本、中国、韓国の民間団体が協力

黄海エコリージョン支援プロジェクトは、日本のWWFジャパン、中国のWWF中国、そして韓国のKORDI(韓国海洋研究院)が、それぞれの経験を相互に活かしながら、協力して実施にあたっています。

日本の企業による国際生物多様性保全プロジェクトの支援

黄海エコリージョン支援プロジェクトは、日本の松下電器産業株式会社のご支援により実現しました。3つの国による国際的な生物多様性保全プロジェクトを、7年という長期にわたって日本企業が支援するケースは、これまでにほとんど例がありません。また同社は、日本を含むアジ ア地域の企業では初めての、WWFインターナショナルが認めた国際的な企業パートナー「コーポレートサポーター」でもあります。

国連機関との連携

国連開発計画(UNDP)は、「国連開発計画/地球環境ファシリティ黄海プロジェクト」を実施しており、中国・韓国両政府と共同で、地域共通の環境保全政策を実施しようとしています。WWFではUNDPと公式に提携し、その政策面における取り組みと、海辺の現場を支える「黄海エコリージョン支援プロジェクト」を結びつけることで、より総合的かつ広域を対象とした環境保全の実現を目指しています。これは、黄海エコリージョン保全プログラムにおいて必要とされる、地域レベルから国際レベルまでの政策的なアプローチを、実践するための連携でもあります。

「黄海エコリージョン支援プロジェクト」活動計画

「黄海エコリージョン支援プロジェクト」は、2007年に発足し、2014年まで継続される、長期的かつ国際的な環境保全活動です。プロジェクトは今後、大きく3つの段階に分けて進められていゆく予定です。

第1ステージ (2007年8月~2010年3月)

地域での保全活動を助成する

中国および韓国の黄海沿岸から、地域社会が主体となって行なう保全活動を公募し、その実施を支援します。活動のテーマは、普及啓発活動と生息地保全活動です。応募は、個人でも市民グループでも可能ですが、必ず「黄海エコリージョン優先保全地域マップ」が示した優先保全地域を含む、都市単位での活動を宣言することが条件となっています。ここで選ばれた活動主体(個人もしくはグループ)は、WWFから活動資金の助成と、経験や情報を交換する学びの機会の提供を受けることとなります。

第2ステージ(2010年1月~2013年3月)

国際的な活動のモデルを確立する

中国と韓国で、それぞれ1カ所ずつモデル地区を設け、国際基準の生息地管理手法を利用しつつ、地域の特性に合った保全の取り組みを行ないます。地域社会と協力しながら、どのような方法で資源や環境の保全・管理を行なうのが適切かを検討し、実際の管理計画を立て、その実施までをめざします。なお、中国、韓国それぞれの地域における、経験の共有や情報の交換は第1ステージに引き続き行なわれます。

第3ステージ(2013年4月~2014年9月)

活動評価と世界への発信

第1ステージの助成事業による事例と、第2ステージのモデル地区の事例について、活動に携わった人たちと共に評価を行ない、その成果をまとめます。成果は "アジアの里海共生モデル"として、出版や発表の場を設け、中国や韓国をはじめ、世界に向けて発信します。同時に、このモデルを参考とした同様の取り組みの展開を、より広い地域を対象に呼びかけていきます。

2009/1/14

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