国際条約に基づき、国という大きなレベルで行なわれる温暖化防止活動は、個人々々が日々の暮らしの中で行なう省エネ活動よりも、はるかに効率よく、大量の温室効果ガスの削減を実現できる可能性をもった取り組みです。
国際条約と国際会議
現在、世界には、加盟している先進各国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた「京都議定書」、およびその母体である「気候変動枠組み条約」という、温暖化の防止を目的とした2つの国際条約があります。
条約に加盟している国々は、毎年世界のどこかで締約国会議と呼ばれる国際会議を実施し、国際社会がどのような形で、どれくらい温室効果ガスを削減するかを話し合い、取り決めるための話し合いを行なっています。
このような国際会議は、その内容が報道されても、なかなか理解するのが難しく、通常の日常的な暮らしとはかけ離れた、遠い世界の問題と思われるかもしれません。
しかし実際には、これら会議で取り決められた「国際法」が、それぞれの国の「国内法」に反映され、その国の方針を決める、大きな鍵となっています。条約の加盟国には、条約の条文や理念に沿った形で、新たな法律や制度を作り、個別の企業ではなく産業界全体を対象とした政策のあり方を決めることが、求められるからです。
国際交渉の意義とNGOの働き
国際会議でどれだけ、温暖化の防止に向けた、前向きな取り決めや約束を、各国が交わすことができるかは、地球全体の未来を決める上でも、非常に重要なことです。
しかし、実際の会議では、それぞれの国々の利害や、抱えている産業界の都合、また外交上の都合などによって、偏った決議がなされ、温暖化の防止をむしろ後退させてしまうようなことも珍しくありません。アメリカ南部の石油産業を支援母体に持つアメリカのブッシュ大統領が、石油エネルギーからの脱却を求められる温暖化防止に終始後ろ向きな姿勢を貫き、「京都議定書」への批准を拒絶してきたことは、その最たる例といえます。
そのような国際交渉において、本来の目的である「温暖化の被害を最小限におさえること」がなおざりにされることなく、より積極的な取り決めがされるようにするため、各国のNGO(民間の非政府組織)は、各国の政府代表に働きかけるロビー活動を展開し、国境を越えた立場からの発言や提言を行なっています。
これらのNGOは基本的に会議ではオブザーバー(非正規の参加者)でしかなく、公的な発言権もありませんが、特定の業界や国の権益に利することなく、地球全体の未来を考えた決議を採択するよう、会議の流れを正しい方向へと導いてゆくのが、その役割です。
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