新年のご挨拶 2016年の幕開けにあたって


皆さま、あけましておめでとうございます。
WWFの事務局より、新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は、日本をはじめ、世界各地でさまざまな災害や社会的な問題が生じた、多難な一年間となりました。
欧州ではシリアからの難民の流入が大きな問題となりましたが、その背景にも、現地で多年にわたって続いた、大干ばつによる食糧不足があります。

気候変動によると考えられる異常気象は、今や特定の地域に限られた小さな自然災害にとどまらない重大な問題として、私たちの暮らしや、多くの生物の生存に暗い影を落としつつあります。

そのような中、昨年末のパリで開かれた国連の気候変動会議「COP21」では、歴史的な合意が成立しました。「京都議定書」に続く、気候変動を人類の英知で緩和する新しい世界の約束が取り交わされたのです。

もちろん、これは具体的な温暖化対策を進めてゆく上での、あくまでスタートであり、問題の解決にはまだまだ届いておりません。

それでも、パリに集った各国首脳をはじめとする多くの人たちが、一つになって新たな一歩を踏み出したことは確かであり、喜ぶべきことといえるでしょう。

それは、環境や経済、紛争や貧困といった、さまざまな不安と問題を抱える今の世界に、一つの希望をもたらすものでもあり、人々が国境を越え、より深く、強い協力を実現してゆくよすがとなるものです。

食料やエネルギーの多くを海外に頼る日本は、そうした協調と平和の重要性を、本来どこよりもよく理解すべき国です。

私たちは、今の日本の暮らしが海外の自然とどうつながり、環境にどれくらいの負荷をかけているのかを、正しく理解し、その改善と、世界に貢献するための努力を傾けてゆかねばなりません。

豊かな自然に恵まれた日本が今後、持続可能性において世界で最も優れた国の一つとなれるように。また、そうした取り組みを通じて、多くの野生生物や生物多様性の保全を力強く推進していけるように。私たちも国際社会を舞台として、今年、新しい一歩を踏み出したいと思います。

最後になりましたが、皆さまのこの一年のご健康をお祈り申し上げ、私からの新年のご挨拶に代えさせていただきます。

本年もWWFの活動に、変わらぬご理解とご支援のほどを、お願い申し上げます。

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