「サンゴ礁と共に生きる」石垣島スタディツアーを開催


沖縄・石垣島の白保にあるWWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」では現在、地域が主体となったサンゴ礁の保全活動を支援しています。その試みの一つとして、2014年3月、地元のNPO法人「夏花」が受け入れを行なうスタディツアーを実施しました。この企画は、ツアーの実施を通じて、サンゴ礁をはじめとする島の自然と共存した「持続可能な地域社会づくり」を目指す取り組みです。

NPO法人「夏花」の挑戦

2013年5月、沖縄県石垣島の白保で、集落の有志により一つの特定非営利活動(NPO)法人が設立されました。

団体の名称は「夏花(なつぱな)」。

世界的にも知られる白保のサンゴ礁や、島の伝統文化の保全や継承に取り組みながら、その持続可能な活用による、地域の活性化をめざす団体です。

この白保の海で見られるアオサンゴの大群落をはじめとして、地域に見られる自然を、ながく保全してゆくためには、その自然と常に接して暮らしている地元の人たちのかかわりが欠かせません。

地域がどのような意識を持ち、どのような展望をもって、自然との共存を実現してゆくのか。その理解と取り組みが、自然やそこに生きる野生生物の未来、そして人々の暮らし自体を、大きく左右するのです。

これは、世界のどのような自然保護の現場にも、共通した点といえます。

そこでWWFでは、地域の人たちが中心となった保全活動を促進するために、その支援に取り組んできました。

WWFジャパンが、石垣島の白保でその設立と活動の自立化を支援している、NPO法人「夏花」の取り組みも、その一つです。

これまで、白保集落では、地域の物産展である「白保日曜市」や、サンゴ礁の調査活動などに、現地のWWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」の協力・支援により実施してきました。

今後、WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」が担ってきた地域のコーディネーターとしての役割をNPO法人「夏花」に引き継いでいくことを目指しています。

初めてのスタディツアー

しかし、こうした取り組みが成果をあげても、地域のNPO団体が本当の意味で独立し、運営を確立するのは容易なことではありません。

働くスタッフや、活動資金の継続的な確保などがなければ、息の長い取り組みを行なうことは困難だからです。

そこで「夏花」では、地域の自然、文化を広く伝えながら、そうした活動資金の獲得を行なうために、今回初めてとなるスタディツアーを開催することにしました。

これは、旅行会社のエイチ・アイ・エスが主催するスタディツアー「サンゴ礁と共に生きる 島人に触れるホームスティ 世界有数のサンゴ礁環境保全と島文化を学ぶ 石垣島4日間」を、ホストとして受け入れる、という試みで、WWFジャパンも特別協力として参加。

全国各地から7名の参加者を得て、2014年3月23日から26日までの日程で行なわれたものです。

参加者の方々には、サンゴ礁についてのレクチャーと、海での観察をはじめ、サンゴを赤土の流出から守る月桃植えの活動、また畜産や農業を手掛ける地域の稼業などを体験していただきました。

さらに、地元の家庭でのホームスティや、地元の物産展「白保日曜市」のおばぁの自慢の郷土料理、この春に島を離れる高校3年生による郷土芸能の披露もあり、自然と文化についてさまざまな側面に実際に触れていただくことができました。

NPO「夏花」では初めてとなるスタディツアーの受け入れで、段取り不足や予定通りに進まないこともありましたが、参加者の皆さんにはいずれもご満足いただけたようです。

特に、地元白保の方々と、参加者の皆さんが多くの時間を共に楽しく過ごされたことは、地域に根差したツアーとして、大事な点でした。

WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」では、今後もNPO「夏花」の取り組みを支援しながら、地域が主体となったサンゴ礁保全と持続可能な資源管理の確立を目指してゆきます。

白保のサンゴとサンゴ礁のレクチャー

赤土防除のための月桃植え

地元の高校生による郷土芸能

皆さんおつかれさまでした

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