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最新の地球温暖化の科学:IPCC第5次評価報告書について

国連の地球温暖化に関する科学の最高峰の知見をまとめた、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による最新版の報告書「第5次評価報告書」が2013年から2014年にかけて発表されています。2013年9月のスウェーデンでの第1作業部会の発表を皮切りに、2014年3月の第2作業部会、4月の第3作業部会がそれぞれ報告書を発表。9月には、その総合報告書が発表される予定です。

IPCCの3つの作業部会と「要約」

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書は、3つの作業部会から出されます

作業部会テーマ会議日程
第1作業部会 温暖化の科学(自然科学的根拠) 2013年9月
スウェーデン:ストックホルム
第2作業部会 温暖化の影響(影響・適応・脆弱性) 2014年3月
日本:横浜
第3作業部会 温暖化の対策(気候変動の緩和策) 2014年4月
ドイツ:ボン

そして、最後に「統合報告書」が、2014年9月にデンマークのコペンハーゲンで発表される予定です。

3つの作業部会では、報告書とともに、各国の政府代表と一文ずつ、その内容を協議、確認した「政策決定者向けの要約」を作成し、発表しています。

この「要約」はそれぞれ30~40ページの文書で、今後の世界の温暖化対策のための政策を左右する、重要な文書となります。

「地球温暖化の科学」について報告する第1作業部会の政策決定者向けの要約は、2013年9月にスウェーデンのストックホルムで発表されました。

続いて、「温暖化の影響」を報告する第2作業部会の総会は、日本の横浜で2014年の3月に開催され、政策決定者向けの要約が発表されました。

そして「温暖化の政策」についての第3作業部会は2014年4月7日から11日までドイツのベルリンで開催され、政策決定者向けの要約が4月13日に発表されました。

地球温暖化の科学をめぐる最新の知見

IPCCは、地球温暖化に関する世界中の専門家の科学的知見を集約している機関で、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立されました。

1990年に発表された第1次評価報告書から数えて、今回が5回目の発表になります。

その報告書は、国際的にもっとも認められた温暖化の科学の報告書で、気候変動枠組条約などの国際交渉の基礎となるものです。

IPCCの特徴は、報告書の「政策決定者向けの要約」を作成する際に、100カ国以上の政府が集まって全会一致で承認していく手順を経ることです。

巨大な会議場で、大きなスクリーンに映し出された要約の一文ずつを、それぞれの議長が読み上げながら、各国政府の承認を得ていく作業を行ないます。

「政策決定者向けの要約」は、多くの科学者のコンセンサスがとれている内容の中でも特に重要な知見が採択されるものなので、各国政府はそれぞれ強調したいところを要求したり、訂正を求めたりして、要約の完成作業に参加していくのです。

各国政府は、自身が一文ずつ承認する過程に参加してつくられた、この「政策決定者向けの要約」を基に、国連会議の場で、温暖化防止のための国際交渉を行なってゆきます。

したがって、こうした会議では、参加各国から「温暖化の原因」や「影響」などを否定するような、そもそもの異論が上がることはありません。

国の政治や経済に大きく関わる、温暖化交渉の元となる科学の報告書ならではの過程を経ているといえるでしょう

世界が承認した事実として

このIPCCは「人間活動が引き起こした気候変動について知見を広め、対策に向けた基盤を築いた」として、2007年にノーベル賞を受賞しました。

IPCCの報告書は国連の気候変動に関する国際会議で大きな影響を持ち、今までのCOPと呼ばれる気候変動枠組条約締約国会合のほとんどすべての合意の中で、IPCCなどによる最新の科学の知見を取り入れることが言及されています。

「産業革命前に比べて2度未満の上昇に抑える」ことが決まったのも、IPCCの報告書に基づいた結果でした。

また、今後の国際交渉の予定も、この報告書の発表時期を明確に意識して立てられています。2013年から14年にかけて発表される第5次評価報告書を受けて、2015年に、2020年以降の新しい法的な枠組みを合意することになっているのもそのためです。

ちなみにIPCCの評価報告書は科学をとりまとめた報告書ですから、IPCCが何かのロードマップや特定の政策・対策を推奨することはありません。あくまでも科学的な知見を提供することが仕事です。その予測を受けて温暖化対策を決めていくのは政治の仕事です。

2020年以降の枠組みつくりの交渉はこれからが本番です。その交渉へ向けて、世界の科学者の多くが同意した科学の知見を提供するIPCCの報告書は、重要な仕事を背負って発表されていきます。

2014年4月7日より、ドイツのベルリンで第3作業部会の会議が開かれ、「温暖化の政策」をめぐる報告書と、制作者向けの要約が発表されます。今後の国際交渉の内容にも深く関与するものとして、WWFもその議論の行方を追っています。

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