何も学んでいない?新「エネルギー基本計画」


日本の未来のエネルギー社会の姿を描く「エネルギー基本計画」。2014年2月25日、政府はその新しい計画案を発表しました。これは、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発での事故から、約3年の時を経てとりまとめられたものです。しかし、その内容は、これまでと変わらず原子力や石炭火力への依存を肯定した、まるで震災・原発事故などなかったかのような内容となっています。

発表された新しい「エネルギー基本計画(案)」

2014年2月25日、日本政府は新しい「エネルギー基本計画(案)」を発表しました。

今回のエネルギー基本計画でまず問われるのは、日本が、東日本大震災と、福島での原発事故の経験から何を学び、どのような『新しい』方向性を打ち出すのか、という点です。

実際、この中でどれくらい太陽光や風力と言った再生可能な自然エネルギーが重く位置づけられ、脱原発に向けた方向性が規定されるかによって、将来的な日本のエネルギー社会の姿を左右するといっても過言ではありません。

しかし、今回発表されたエネルギー基本案の中で、政府は原子力や石炭火力など、旧態依然とした方向性を肯定。全体として、震災・原発事故などなかったかのような内容の計画案となりました。

福島第一での原発事故の直後より、「エネルギー基本計画」を温暖化防止と脱原発に向けた確かなステップとして重視してきたWWFジャパンでは、この政府の計画案に対し、6つの大きな問題があることを、あらためて指摘しました。

  1. 再生可能エネルギー推進の位置づけが弱い
  2. 省エネルギーの推進姿勢が弱い
  3. 化石燃料、特に石炭からのシフトが打ち出されていない
  4. 原子力と石炭火力をベースロード電源とする、旧来型の考え方に執着している
  5. 地球温暖化対策の姿勢が不明確
  6. 市民参加の引き継ぎの軽視

この、政府による「エネルギー基本計画(案)」は、2013年12月に資源エネルギー庁が発表した「エネルギー基本計画に対する意見(案)」からは、細かい改善点も見られます。

しかし、震災と原発事故という、未曽有の経験を経て作られたエネルギー政策の新方針であれば、これは、これまでの反省に立ち、革新的で、希望のあるビジョンでなければなりません。

声明

エネルギー基本計画(案)に対する声明


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WWFジャパンは「自然エネルギー100%」を実現する上で重要なカギになるポイントを3つ挙げています。

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