企業とWWF、『日本の気候変動対策のあり方に関する声明』を共同発信
記者発表資料 2012年4月26日
【東京発】WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン、東京都港区)では、2011年8月、『低炭素社会を目指すビジネス・パートナーシップ※脚注』の第一弾として、「今後の日本のエネルギーのあり方に関する声明」を発信しました。これは、震災直後だけではない継続的な省エネと再生可能エネルギー普及の重要性を強調し、新しいエネルギー政策のあるべき方向性を企業とNGOであるWWFジャパンが共同で訴えたものです。その後の政府内におけるエネルギー政策見直しの議論は、このような流れに沿って少しずつ進行しつつありますが、いまだ不十分な点が多く見られます。
たとえば政府からまもなく提示される、今後のエネルギー政策および気候変動政策の選択肢に関わる議論では、省エネの数値について一律10%(電力)と仮定するなど、省エネのポテンシャルについての十分な議論がなされていません。また、野田政権が掲げている原発依存度低減の方針に反し、原発の割合を現状の26%(2010年)から35%(2030年)まで高めるという案も挙げられています。
このように震災前と同じような議論を続けるのではなく、「白紙から見直す」という原点に立ち戻り、安全・安心で持続可能なエネルギー社会の構築に向けた議論が行なわれなくてはなりません。特に日本におけるエネルギー政策と気候変動政策は表裏一体であり、気候変動問題の解決も念頭に置きながらエネルギーを選択するという視点が欠かせません。
本パートナーシップではこのような観点から、新たに『日本の気候変動対策のあり方に関する声明』を発信しました。この声明には、環境保全を重視する企業である㈱モンベル、および㈱グッドスピードが賛同し、エネルギー起源CO2排出量の削減目標や再生可能エネルギー普及目標を含む、以下の6つの重要ポイントを提言しています。(声明の全文は添付資料をご参照ください)
- 日本は、再生可能エネルギー源への投資を高め、エネルギー安全保障の向上と気候変動対策を従来以上に促進すべきである。
- 2012年夏を目途に策定予定のエネルギー基本計画において、省エネルギー目標と再生可能エネルギーの意欲的な普及目標を定めるべきである。
- 中長期的に、化石燃料に対する依存度を下げる方向性を打ち出すべきである。
- エネルギー起源のCO2排出量に関して、「25%削減目標」と整合する目標を定めるべきである。
- 包括的な新しい法的国際枠組みがより早期に発効するよう、日本が国際舞台でリーダーシップを発揮することを期待する。
- そのためには、国内で気候変動対策をしっかりと行い、今後日本がこの問題の解決に貢献していく強い意志を世界に示すべきである。
WWFジャパン 気候変動・エネルギー・プロジェクトリーダーの池原庸介は「日本は気候変動対策に積極的に取り組むことにより、産業の競争力を高めて新たな雇用も創出できる。そのためには意欲的な省エネルギーの目標を掲げて、本当に必要な量のエネルギーだけを使う社会を目指し、その上で再生可能エネルギーを積極的に活用していくべきである。将来的に再生可能エネルギー中心の社会への移行を念頭に置いた目標を定めるべきだ」と話しています。本声明への賛同企業は継続して募集中です。
以上
脚注
※ 『低炭素社会を目指すビジネス・パートナーシップ』とは:
次世代に大きなツケを残しかねない温暖化問題の解決を目指し、日本が自然エネルギーを中心とするグリーンエネルギー社会となるよう、賛同企業と共に働きかけを行うプロジェクト。
賛同企業
<株式会社モンベル>
アウトドアの総合メーカー。1975年設立。本社:大阪。“Function is Beauty”をコンセプトに、テント、バックパック、寝袋、登山靴、レインウェア等各種アウトドア商品を開発。その歴史は、近年のアウトドア用品の進化の歴史でもある。
<株式会社グッドスピード>
ライセンス衣料メーカー。2000年設立。本社:東京都渋谷区。WWFジャパンとはライセンス契約を結び、パンダロゴ入りTシャツなどを販売。震災チャリティーTシャツ販売実績などもある。
関連情報
『2050年に自然エネルギー100%は可能 脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案』
WWFジャパンは、電気や燃料、熱など国内のエネルギー需要を全て自然エネルギーでまかなうことが可能であることを示したエネルギーシナリオを発表しています。本シナリオは、エネルギー問題と地球温暖化問題の両方を解決し、持続可能な社会・脱炭素社会への道筋を示す内容となっており、その実現に必要な政策について提言しています。
お問合せ先
WWFジャパン 自然保護室 気候変動・エネルギーグループ/池原
Tel:03-3769-3509 Eメール:climatechange@wwf.or.jp
WWFジャパン 広報室/大西
Tel:03-3769-1714 Eメール:ohnishi@wwf.or.jp




