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WWFの活動

南アフリカでサイの密猟が増加 2010年を上回る早さ

南アフリカ共和国で、2011年に入ってからの10カ月間に、341頭のサイが密猟されたことが分かりました。これは、前年2010年の1年間で、同じく南アフリカ国内で密猟されたサイの頭数333頭を、すでに上回る数字となっています。密猟増加の背景には、サイの角に対する国際的な需要の高まりがあるとみられており、とりわけベトナムがその大きな市場となっている可能性が指摘されています。

角の需要が密猟を呼ぶ

クロサイとシロサイ、南アフリカ共和国に生息する2種のサイに、危機が迫っています。2010年に続き、2年連続で300頭を越えるサイが密猟され、しかも2011年は前年を上回る早さで密猟が増加していることが明らかになりました。

密猟の目的は、アジア各国で高価で取引されるサイの角です。

サイの角は精力剤になる伝統薬として古くから珍重され、ガンの治療薬にもなるといわれていますが、医学的にはまったく根拠がありません。

また、希少な野生生物の国際取引を規制する「ワシントン条約(CITES)」でも、サイの取引は禁止されてきました。それにもかかわらず、中国や東南アジアでは、消費が今も続いており、それに伴う密輸も跡を絶ちません。

ベトナムというホットスポット

特に、サイの市場として問題視されているのがベトナムです。
2010年に開かれたワシントン条約会議では、ベトナムにおけるサイ角の需要拡大が、サイの密猟増加を引き起こしていることが明らかにされました。

2011年4月には、ベトナムに生き残っていた国内最後のジャワサイが、角を目的に密猟される事件が発生。

さらに、サイの角と同様、伝統薬として骨が珍重されるトラについても、密猟によって数が大幅に減少しており、このままではベトナムではトラが絶滅する危険性も指摘されています。

密猟と密輸、そして国内での違法な販売。これらを取り締まるための、十分な法の執行がなされていないのが、今のベトナムの現状です。

トラフィックのサイ・プログラムのコーディネーターであるトム・ミリケンは次のように言います。

「アフリカのサイを襲っている密猟の背後には、ジャワサイをベトナムから一掃してしまった力と同じ力が働いています。この事実は、ベトナム政府に国内のサイ角市場を取り締まるよう、方針の転換を強く迫る警告といえるでしょう」。

サイを守るために必要なこと

南アフリカは、世界でもっとも多くのサイが生息する国ですが、同時に近年は密猟の集中する地域にもなっていました。

それでも、WWFの国際野生生物保護プログラムのカルロス・ドレウス博士は言います。

「南アフリカの国立公園では、武装した強力なレンジャーたちが、サイの保護に取り組んできました。ですから、密猟組織は今後、より規制や取締りの弱い、特にアジア地域に移ってゆくかもしれません」。

実際、同国では、大変な努力を傾けて厳しく法を施行したことにより、多くの密猟者が逮捕されました。それでもサイの密猟は続いています。

「密猟と密輸をつなぐ違法取引の鎖を断ち切るには、密輸の際に通過する国や、最終的な消費の場となっている国が、それを取り締まる努力を払わねばならないのです」。

事実、市場が存在し続け、高値で角が売買される限り、密猟やサイを狙う犯罪組織が存在するこの状況は続くことになるでしょう。

2011年9月、ベトナムでは二国間で密輸取締りのための法規制と施行強化を行なうため、南アフリカに政府代表団を送り込みました。2010年にも、トラフィックの働きかけにより、両国による同様の会合が実現しており、今後の取り組みが注目されます。

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南アフリカに生息するクロサイ。クロサイは1970年台に東アフリカを中心に起きた大規模な密猟により、2400頭あまりにまで減少した。その後、長年の保護活動により、2007年には4100頭まで回復したが、近年再び密猟が増加し、その脅威にさらされている。

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サイの角を含んだ漢方などの伝統薬。角は薬の原料として珍重されているが、医学的な効果は認められない

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密猟され角を切られたシロサイ。この写真の撮影場所は不明だが、密猟されたサイはいずれも角のみを切り取られ、放置される

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インドシナトラ。インドシナ半島諸国に生息するが推定個体数は数百頭ともいわれており、特にベトナムでは減少している

WWF南アフリカのサイ保護プログラムのジョセフ・オコーリ博士は述べています。
「ベトナムは、南アフリカでの取り組みにならって、密猟者や密輸業者、角の売り手たちを逮捕すべきです。サイを絶滅から救うには、こうした犯罪集団を明らかにし、罰しなくてはならないのです」。

WWFとトラフィックは引続き、現地での密猟対策への支援と、違法取引や市場の調査を通じた、各国政府とワシントン条約事務局への提言に取り組んでゆきます。

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2011/11/03

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