記者発表資料 2010年8月2日
【東京発】2010年8月2日、東京で8月3日に開催される「消費者と考える国際マグロシンポジウム」に先駆けて、WWF(世界自然保護基金)は、地中海を中心に生産され、その大半が日本にむけて出荷される大西洋クロマグロについて、その消費に関する声明を発表した。
問題意識と現状認識
WWFはかねてより、地中海を中心に生産され、その8割が日本に向けて出荷される大西洋クロマグロについて、
- 資源状況を持続可能なレベルまで回復させるような、実効性のある総漁獲可能量の設定、重要海域における禁漁区の設定、産卵期の禁漁を含む適切な漁業管理体制が確立されていないこと
- 地中海沿岸国で漁獲努力量の増加が著しく、明らかに過剰であること
- 生産現場において、違法性の高い操業や無報告の漁獲が行われ、規制の遵守状況が不十分であること
- 日本市場で流通する全ての地中海クロマグロについて、消費段階から漁船までの遡及性を備えたトレーサビリティが確立されていないことから、違法性の高い操業をした漁船からのクロマグロを分別し排除しにくいこと
を早急に解決すべき重大な問題として、漁業管理主体である大西洋マグロ類保存委員会(以下、ICCAT)及びその関係国に指摘してきた。しかし、WWFはこうした地中海の状況は改善しておらず、大西洋クロマグロ資源の持続的な利用が困難に直面していると認識している。
WWFの求める持続可能な大西洋クロマグロ消費
持続可能な大西洋クロマグロの消費を実現する前提条件として、WWFはICCAT加盟国に対し、以下の点を求める。
- 最新の資源評価結果を基になされる科学的な勧告に従い、80%以上の確率で資源を回復させるような予防原則に基づいた漁業管理施策を採択すること
- 地中海域で操業する大規模な漁業について、持続可能な生産が約束される水準まで努力量削減を確実に実行すること
- 輸入国である日本に加え、大西洋クロマグロ生産、貿易に関わる全ての加盟国が厳格、かつ適切な漁獲統計証明の取扱いをすること
これらの管理施策が2010年11月のICCAT年次会合において採択され、加盟国の規制遵守が確実に約束されたうえで、透明性があり、かつ漁船まで遡及性のあるトレーサビリティシステムが確立するまでは、世界の貿易・流通関係者、消費者に対し大西洋クロマグロの取扱い、販売及び消費をWWFは支持しないことを表明する。
しかしWWFは、科学的勧告および予防原則に基づいた管理体制の導入および規制の確実な遵守がなされ、透明性の高いトレーサビリティが確保され次第、中小規模漁業によって生産された大西洋クロマグロの取り扱い、販売、および消費を支持していく。
参考
- 「地中海クロマグロ、追跡調査」レポート(英語)
http://assets.panda.org/downloads/on_the_med_tuna_trail_2010.pdf - WWFのマグロキャンペーンについて(英語) www.panda.org/tuna
- 写真のダウンロードについて(英語) www.panda.org/cites/media
【問い合わせ先】 WWFジャパン 山内(水産担当)、町田(広報担当) tel:03-3769-1713




