記者発表資料 2010年7月30日
【ドイツ・ボン発】WWFは、2010年12月のメキシコ・カンクンでの国連気候変動会議(COP16)において進展がある可能性は高い、と考えている。進展の条件は、各国政府が、2011年末に成立を目指す法的枠組みの足がかりとするために、鍵となる「カンクン・パッケージ(包括案)」の中身の合意に注力することである。
カンクン会議に向けた準備交渉としてボンで、またその後は中国・天津で開催される会議は、これまで長期にわたって対立してきた問題を解決するよい機会である。
WWF・世界気候イニシアティブのリーダーであるゴードン・シェパードは「世界の気候変動の交渉官たちが、『包括的合意か、さもなくば交渉決裂か』とい二者択一的発想なら、カンクン会議はうまく行かないでしょう。しかし、この会議は、2011年のCOP17において、温暖化防止の法的枠組みを構築する際の確固たる足がかりとなることはできるのです。」と話す。
「カンクン会議が成功裏に終わるためには、森林保護、気候変動の不可避の影響に対する適応、そして温暖化防止と適応に向けた資金を実際に動かしていくことといった現状打開策が必要です。」
WWFは、温暖化防止と適応のための短期資金において、約束されている年間300億米ドルを実際に動かしていくこと、そして長期資金に対する新規の財源を確保する策の交渉が進展することが、他の議題の交渉も進展させるとみている。
シェパードは「交渉中の下書き文書内の懸案中の箇所が解決されれば、森林減少を食い止めるREDDの強力な枠組みが成立する準備が整うでしょう。この枠組みは森林を保護し、また生物多様性および人間の生活を保護するものです。」と述べる。
「加えて、適応の枠組みも合意間近な状態が続いています。ですので、ボンおよび天津での会議は、カンクンでの成立に向けて手はずを整えなければなりません。結果として、気候変動に脆弱な国々は資金面・技術面での支援を手にし、人々と自然は成長を続け、気候変動の脅威を回避することができるのです。」
WWFはまた、各国政府が現在提案している温室効果ガス削減量と、低炭素社会へスムーズに移行するために必要とされる削減量との間には10億CO2トン単位の巨大なギャップがある、ということを強く主張している。そのギャップを埋めるための解決方法はすでに複数、存在しており、政府は可及的速やかにそれらに取り組まねばならない。
国内法案の成立が遅れるアメリカは、その契機を失いつつあるかも知れない。しかしUNFCCC(国連気候変動枠組み条約)のもとでの強力な気候変動枠組みへ合意することは、一国の動向に左右されることではない。シェパードは次のように語る。「少なくともコペンハーゲンで世界が約束した気候変動と闘うための合意を達成するようアメリカに期待することは可能であるし、期待すべきです。世界の他の多くの国々は、今必要とされている気候変動に対して適応力のある低炭素社会への移行を達成するために、速やかに動き始めているのです。」
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