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WWFの活動

IPBESの速やかな発足に期待する

記者発表資料 2010年6月16日

2010年6月7日~11日、韓国の釜山でIPBES(生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)の第三回会合が、UNEP主催のもと開かれた。90を超える国や50の組織が参加し、タフな交渉が続けられた。そして、最終日11日の深夜にIPBESを設立することで合意した。
IPBESへの拠出金の分担やその機能、キャパシティ・ビルディングのあり方などに関する細かな議論は残されているものの、設立すること自体は合意された。UNEPをはじめとする国連機関によって運営される見込みである。

WWFでは、2009年来、生物多様性をめぐる諸々の課題の中でも、IPBESの設立は重視していたので、今回の合意を高く評価したい。
正式には、9月の国連総会ハイレベル会合、およびそれ以降のプロセスを経ての決定となるが、資金等の問題がクリアになり、速やかに発足することを期待している。

IPBES(Intergovernmental Science Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services)と聞けば、すぐさま気候変動におけるIPCCを思い浮かべる。IPCCは、これまで四次にわたり評価報告書を出しているが、今では大きな影響力をもつに至り、世界各国の温暖化対策、気候変動政策を左右するほどになっている。
科学と政策をむすぶこのような機関は、今日の環境政策の立案において決定的に重要になっている。IPCCの存在がなければ、気候変動が各国の重要なアジェンダにのぼってはいないであろう。

生物多様性の分野において、長く待たれていたのは、科学と政策のあいだでインターフェースの役割を果たす機関である。生物多様性に関しても、世界各地で科学的な調査活動が実施されているが、これらをとりまとめ、ひとつの声として政策決定者に提言する仕組みが必要となっている。

IPBESは科学的に信頼でき、独立性があり、ピアレビューをへる機関となる。現代においては、科学に基づく政策決定は非常に重要になっており、遅すぎた合意といってもよいくらいである。
生物多様性や生態系サービスという非常に多面的で複雑な事象を取り扱うので、IPCCに比肩する報告書を出すには、一定の時間を要すると思われる。
ただ、IPCCがそうであったように、報告書を繰り返しとりまとめることで精度をあげ、政策決定者の注意を引くようになっていくであろう。

IPBESの設立には、米国のようにIPBESの機関としての権限と構造がはっきりするまでは、支持するかどうかどちらとも言えないと慎重な姿勢を見せる国もあった。しかし、日本政府はIPBESの設立を支持していた。
日本政府には、CBD・COP10の開催国として、IPBES設立の議論を促し、速やかな発足を実現させてほしい。WWFとしても、その必要性を訴えていきたい。

 

問合せ:WWFジャパン 自然保護室 広報担当:大倉寿之 Tel:03-3769-1713

2010/6/16

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