記者発表資料 2010年5月14日
【ローマ発】2010年5月15日、地中海で大西洋クロマグロを大量に漁獲するまき網漁業が1カ月間解禁となる。WWFは、この海域の全ての漁業国に対し、科学的な根拠の基づいた資源管理計画が策定されるまで、これら大規模漁業の自主的な禁漁を導入することを求める。
資源状況が極めて深刻な大西洋クロマグロ資源については、最近報告された科学的な解析結果の中で、総漁獲量を8千トンに押さえたとしても、回復する可能性が50%程度とされている。このことから、大西洋クロマグロの資源管理に責任を負う大西洋まぐろ類保存国際委員会(以下、ICCAT)の年次会合(2010年11月にパリで開催)では、総漁獲可能量を8千トン以下へ大幅に削減することも含め、実効性のある資源回復計画が採択される必要がある。
実効性のある資源回復計画を導入するためには、地中海における大規模漁業の禁漁が必須であり、3千年以上操業されてきた定置網漁業など小規模な漁業による生産が許される程度となる。
地中海のまき網漁業解禁に臨み、先月、イタリアは大型まき網漁船の2010年の漁期の禁漁を打ち出した。WWFはイタリアの決定を歓迎し、他の地中海沿岸の漁業国もこれに続いて、2010年の大型まき網漁船の操業を自主的に禁漁とすることを強く求める。
また、ICCATとその加盟国に対して、持続可能な資源管理を実現させるとしたドーハでの約束を尊重することも強く望む。
2010年3月にドーハで開催された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約:CITES)」の締約国会議では、大西洋クロマグロを附属書Ⅰに掲載する提案が反対多数で否決された。
しかし会議の中で、ICCATの議長は「科学的勧告に従わない管理措置をとることはもはやありえない」と述べ、主要加盟国である日本、EU、アメリカ、カナダ、ノルウェーは大西洋クロマグロ資源保全のため、徹底した管理措置をパリで採択すると約束した。
また、日本政府も会議閉幕時に発言を求め、大西洋クロマグロの資源回復を確実なものにできるよう国際的な取り組みを牽引していくと宣言した。
WWFは大西洋クロマグロについて、最大の生産量を誇るEUと最大消費国である日本に対し、ICCATの枠組みの中で、科学的根拠に従って適切な漁業管理体制を導入するために中心的な役割を果たすことを強く期待する。
【問い合わせ先】 WWFジャパン 山内(水産担当)、町田(広報担当) tel:03-3769-1713
キーワード
CITES(ワシントン条約), ICCAT, マグロ, 本マグロ, 漁獲量
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