25%削減!地球温暖化対策の政策議論に貢献 脱炭素社会へ向けた具体的な政策提言を発表
記者発表資料 2010年3月30日
本日、WWF(世界自然保護基金)ジャパンは、参議院会館において「脱炭素社会へ向けたポリシーミックス提案(第2版)」を発表した。本提案は、鳩山政権の掲げる温室効果ガス削減中期目標25%(2020年までに90年比)を確実に達成し、長期的に日本を脱炭素社会へと導くための、具体的な政策提案である。
中期削減目標25%を明記した「地球温暖化対策基本法」が、先日、閣議決定されたのを受け、政府は、温暖化対策の行程表(ロードマップ)づくりを進めている。また、東京都は2010年4月から、都内の大規模なオフィスビルなどを対象とした、日本初の強制力のある排出量取引制度を導入する。このように国や地域レベルで、政策議論や取組が活発化する中、今後、中期目標を達成し、さらに長期的には、日本全体を“脱”炭素社会へと導いていくための政策をどのように導入していくかが、極めて重要である。WWFジャパンも具体的な政策を提案することで、脱炭素社会の実現に貢献したいと考えている。
本提案の中核を成すのは、大規模な排出者である産業・エネルギー転換・工業プロセス(発電、ガス、セメント、鉄鋼など)を対象とする、キャップ&トレード型の国内排出量取引制度である。日本全体で、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減し、2050年までに同80%削減する前提で、制度設計を行った。
同時に、国内排出量取引制度では通常対象とできない、運輸・家庭・業務といった分野について、環境税など、それぞれ独自の政策を提案し、日本全体として、温室効果ガスの確実な排出量削減を進める、総合的な“ポリシーミックス”を提案している。
例えば家庭部門では、省エネコンシェルジュ制度を提案している。これは、エネルギー供給業者(電力会社やガス会社)に、家庭の排出削減対策を行なうことを義務づける制度である。家庭の現場で、省エネコンシェルジュと呼ばれる資格を持った人が、省エネ診断、提案、評価を担う。従来の、国民運動による普及啓発やエコポイントなどのキャンペーンに頼るのではなく、より確実に削減量を増やす効果的な方法である。
本提案は、2006年度に発表した『脱炭素社会に向けた国内排出量取引制度提案』を、さらに深化・拡大させたものである。前提案では主に、京都議定書の目標達成に重点を置いていたキャップ&トレード型の国内排出量取引制度提案を、2020年および2050年へ向けた新しい目標の下で、欧米の新しい知見も取り入れて進化させ、具体的で、実際の制度設計に貢献できる内容とした。今後、本提案の内容が実際の政策立案に反映されるよう、政府の関係機関や国会議員に働きかけていく。
註:本提案は、京都大学准教授の諸富徹氏をリーダーとする研究チームに、WWFジャパンが研究を委託し作成された。
研究チームメンバーは以下の通り。
諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科・教授;排出量取引制度および全体総括)
兒山真也(兵庫県立大学経済学部・准教授;運輸部門)
鈴木靖文(ひのでやエコライフ研究所・代表取締役;家庭部門)
東 愛子(京都大学大学院経済学研究科・研修員;業務部門)
藤川清史(名古屋大学大学院国際開発研究科・教授;GTAPによる定量分析)
清水雅貴(横浜国立大学大学院国際社会科学研究科・博士課程;国際動向調査)
■添付資料(PDF形式)
■問い合わせ
気候変動プログラム 山岸尚之、小西雅子、池原庸介(Tel:03-3769-3590 climatechange@wwf.or.jp)または 広報担当 新井秀子(Tel:03-3769-1713、hideko@wwf.or.jp)
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