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WWFの活動

声明:地球温暖化対策基本法案の不十分な「キャップ」

声明 2010年3月12日

【東京発】2009年12月から続いていた地球温暖化対策基本法案に関する政府内の議論が、閣議決定という形で一応の決着を見た。閣議決定された法案は、いくつかの点において重大な問題を抱えており、政権交代によって市民社会が期待した地球温暖化対策に関する新たなリーダーシップの発揮には至っていない。特に、以下の2点について、大きな懸念がある。

1.「25%削減」目標が非建設的な形で国際合意に条件付けられている

法案は、主要国が参加した国際合意が成立することを、「25%削減」目標設定の条件としている。新たな国際合意が必要であることは間違いないが、国際合意が無ければ削減目標も無くなると解釈できるような表現にはすべきではなかった。そのような表現は、日本の非建設的な姿勢を内外に印象付け、国際合意の成立の可能性そのものを阻害しかねない。

2.国内排出量取引制度において原単位方式が一部認められる可能性を残した

法案は、削減目標達成の主要政策として国内排出量取引制度の創設を盛り込んでいるが、その内容について課題を残した。そもそも民主党は「キャップ&トレード型」の排出量取引制度を公約しているのである。総量方式の「キャップ&トレード型」の排出量取引制度でなければ、日本の削減目標達成に確実に寄与することはできない。しかし、閣議決定された法案は、総量方式を基本としつつも、原単位方式の検討を認めてしまった。

原単位方式は、

  1. 目標が達成されても、生産量が増えれば排出量が増える可能性がある
  2. 増えた分を、どこか他の部門(排出量取引の対象にならない運輸・民生・海外クレジットなど)でカバーしなければならなくなる
  3. 総量としての排出量は増えているにもかかわらず、目標を超過して達成すれば、排出枠の売却ができるため、排出増加を促してしまう可能性がある、

といった問題がある。

また、排出量取引制度の導入年度も明記されておらず、議論の先延ばしが繰り返される可能性も残してしまっている。

今後の国内排出量取引制度をめぐる各論の中では、民主党がマニフェストで公約したキャップ&トレード型の排出量取引制度が着実に採用されるようにしていかなければならない。

以上の2つの論点の他にも、原発の利用の推進が明記されるなど、問題は多い。今後の国会における議論や、基本法を基にした個別政策の議論において、温室効果ガスの排出量を極限まで減らす「脱炭素社会」へ向けた道筋がきちんと示されることを確保していかなければならない。

 

問合せ: WWFジャパン 気候変動プログラム 山岸尚之/小西雅子/池原庸介
Tel: 03-3769-3509 Email: climatechange@wwf.or.jp

WWFジャパンのポリシーミックス提案
http://www.wwf.or.jp/torihiki/

2010/3/12

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