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WWFの活動

南西諸島の生物多様性優先保全地域の地図を公開

記者発表資料 2009年12月15日

【東京発】12月15日、WWF(世界自然保護基金)ジャパンは、南西諸島生物多様性評価プロジェクトの調査報告書集と、南西諸島における生物多様性の保全上重要な地域を示した地図を発表した。

このプロジェクトは2006年から2009年までの3年間にわたり、南西諸島の生物相に詳しい50名以上の研究者や地域の専門家の協力を得て実施したもの。南西諸島の自然環境の現状を評価し、地理情報システム(GIS)を用いて、哺乳類、サンゴ類、自然林、自然海岸など、多様な生物群・生息環境の視点で、生物多様性優先保全地域(BPA;Biodiversity Priority Area)を抽出したことが最も大きな成果である。

2010年1月から国際生物多様性年が始まり、10月には名古屋市で、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)が開催される。日本は議長国として2010年から2年間、国内外の生物多様性の保全と持続利用を確実に進める役割と責任を負うことになる。

今回のプロジェクトの結果をもとに、BPAに占める保護区の割合を見たところ、奄美諸島の陸域と沖縄諸島の海域では共に10%ほどである一方、八重山諸島の陸海域では70%以上が保護区となっており、地域により保護区設定の落差が大きいことが明らかとなった。

以上の観点から、WWFジャパンでは、県・市町村に対しては、生物多様性基本法に基づいた南西諸島の「生物多様性地域戦略(*)」の早期策定を、また政府に対しては、奄美・沖縄地域の振興開発計画における生物多様性分野への予算化を働きかけていく。

(*)生物多様性地域戦略… 2008年6月に施行された生物多様性基本法では、地方公共団体が生物多様性地域戦略を策定することが努力義務として規定されている。戦略には、対象とする区域、当該区域内の生物多様性保全及び持続可能な利用に関する目標、総合的かつ計画的に構ずべき施策を定める必要がある。

南西諸島における生物多様性の保全上重要な地域

20091214a.png
  • <注意>今回公表した地図は、自然科学的な観点から南西諸島の生物多様性を広域的に捉えたものである。BPAの区割りが、保護区設定が必要な区域や開発の適地であることをそれぞれ厳格に示しているわけではない。社会状況を勘案し、多様な主体が参加した形での地域戦略策定を促す「呼び水」「たたき台」としての効果を期待して公表するものである。

ダウンロード:南西諸島生物多様性優先保全地域地図

 

生物多様性優先保全地域(BPA)の地図が出来るまで

BPAは、生物群ごとの重要地域の重なりや島々に生息する固有種の分布、自然度の高い植生や海岸環境の有無、集水域等を考慮して抽出した。BPA地図は、以下の特徴を持つ。

  1. 多様な生物群、生息環境の視点
    BPAの抽出には、哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、昆虫類、魚類、甲殻類、貝類、海草藻類、サンゴ類といった生物群ごとに作成した重要地域(TPA;Taxon Priority Area)のデータを用いた。また、集水域、植生自然度、自然海岸のデータも既存のデータを活用した。
  2. GIS(地理情報システム)を使った客観的抽出
    GISを用いて様々なデータを重ね合わせると、TPAが多く重なる領域、自然度が高い環境やTPAが多く集まる集水域を視覚化することが出来る。BPAは、全てのTPAの和集合に占めるBPAの面積が30%以上となる条件を設定し、抽出した。
    南西諸島BPAの面積: 陸域1,763平方km(陸域の約37%)、海域749平方km(水深20m以浅海域の約33%)

※報告書と地図の入手を希望する場合は、送料として500円分の切手を同封し、住所、氏名、電話(メールアドレス)を明記の上、〒105-0014 東京都港区芝3-1-14 WWFジャパン「南西多様性マップ」係へ。

■問合せ先:WWFジャパン 自然保護室 安村 yasumura@wwf.or.jp
       広報担当  町田 Tel: 03-3769-1713

2009/12/15

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