記者発表資料 2009年12月8日
【東京発】12月8日、WWFジャパンは、長年活動を続けてきた、名護市東海岸の辺野古・大浦湾沿岸の生物多様性を保全する要請を、鳩山首相ならびに、岡田外務大臣、小沢環境大臣、北澤防衛大臣あてに行った。書簡は別紙の通り。
WWFジャパンでは、1983年より「南西諸島自然保護プログラム」を開始。同地域および海域での自然環境と野生生物の調査研究、生物多様性の保全、普及教育などの活動を継続してきた。この海域は、下記の例などからも、南西諸島の中でも、特に貴重な生物が生息する生物の多様性に富んだ地域である。
- 同海域は絶滅危惧ⅠA類(環境省)のジュゴンの生息域。IUCN(国際自然保護連合)は、日本・アメリカ両政府に対し、過去3回にわたり沖縄のジュゴン保護に関する勧告、決議を行っている。
- 2008年7月には、WWFジャパンが他の環境保護団体とともに行った調査結果により、巨大なアオサンゴ群集の存在が判明したことを発表。サンゴ礁や海草藻場、沿岸には砂浜、岩礁、干潟やマングローブ林が広がるなど様々な環境が、ジュゴンをはじめ多くの野生生物の生息地となっている。
- 2009年6月に行われた同海域での十脚甲殻類(エビ・カニ類)調査では、少なくとも36種の新種(未記載種)と25種の日本初記録種の生息が確認されていることが確認され、11月末に開催された「日本サンゴ礁学会」で発表している。
2010年は国連の国際生物多様性年。10月には名古屋で第10回生物多様性条約締約国会議が開催され、日本は、議長国として2010年から2年間、地球の環境保護、生物多様性保全を確実に進める役割と責任を負うことになる。
これらのことから、WWFジャパンは、辺野古・大浦湾海域の豊かな生物多様性の保全について、下記の点を鳩山政権に対し要請する。
- 辺野古・大浦湾海域に、生物多様性保全のための海洋保護区を設置し、やんばるの森とあわせて、世界自然遺産への登録を推進すること。
- 辺野古新基地(普天間代替施設)については、生物多様性保全の観点から、計画を中止すること。
- IUCN(国際自然保護連合)のアンマン(2000年)、バンコク(2004年)での勧告、バルセロナ(2008年)でのジュゴン保護の決議を遵守すること。
- 辺野古・大浦湾海域で生息が確認された36種の新種、および国内初記録の25種の十脚甲殻類(エビ・カニ類)の希少性等について調査を行うこと。
以上
辺野古・大浦湾の生物多様性保全についての要請
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
外務大臣 岡田克也 様
環境大臣 小沢鋭仁 様
防衛大臣 北澤俊美 様
(財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 会長 德川恒孝
拝啓
時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
本会の活動につきましては、日頃より、ご理解、ご支援をいただき厚く感謝申し上げます。
さて、WWFジャパンは、1983年に「南西諸島自然保護プログラム」を開始してから、同地域および海域での自然環境と野生生物の調査研究、生物多様性の保全、普及教育などの活動を継続しています。
今年6月に、沖縄県名護市の辺野古・大浦湾海域で行われた十脚甲殻類(エビ・カニ類)調査では、11月末に名護市内で開催された「日本サンゴ礁学会」で発表されたように、少なくとも36種の新種(未記載種)と25種の日本初記録種の生息が確認されています。
また、同海域は絶滅危惧ⅠA類(環境省)のジュゴンの生息域であり、沖縄のジュゴンは孤立し、分布域が狭く、個体数もきわめて少ないことから、IUCN(国際自然保護連合)は、日本・アメリカ両政府に対し、3回にわたる沖縄のジュゴン保護に関する勧告、決議を行っています。
辺野古・大浦湾には、巨大なアオサンゴ群集を含むサンゴ礁や海草藻場、沿岸には砂浜、岩礁、干潟やマングローブ林が広がるなど様々な環境があり、ジュゴンをはじめ多くの野生生物が生息し、まさに生物多様性の宝庫となっています。
2010年は国連の国際生物多様性年であり、10月には名古屋で第10回生物多様性条約締約国会議が開催され、日本は、議長国として2010年から2年間、地球の環境保護、生物多様性保全を確実に進める役割と責任を負うことになります。
以上のことから、辺野古・大浦湾海域の豊かな生物多様性の保全について、下記のことを要請いたします。
記
- 辺野古・大浦湾海域に、生物多様性保全のための海洋保護区を設置し、やんばるの森とあわせて、世界自然遺産への登録を推進すること。
- 辺野古新基地(普天間代替施設)については、生物多様性保全の観点から、計画を中止すること。
- IUCN(国際自然保護連合)のアンマン(2000年)、バンコク(2004年)での勧告、バルセロナ(2008年)での決議を遵守すること。
- 辺野古・大浦湾海域で生息が確認された36種の新種、および国内初記録の25種の十脚甲殻類(エビ・カニ類)の希少性等について調査を行うこと。
なにとぞ、ご高配の程、よろしくお願いいたします。
敬具
■問合せ先:
WWFジャパン 広報担当 町田 Tel:03-3769-1713 自然保護室 花輪 hanawa@wwf.or.jp
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