2009年11月、WWFとE3Gは、G20各国のおよそ100にのぼる気候政策を評価し、ベスト政策とワースト政策の事例についてまとめた、新しい報告書『Scorecards on best and worst policies for a green new deal』を発表しました。この報告書は、地球温暖化の防止を目的としたさまざまな政策が、経済を活性化し多様化するという利点も持っていることを明らかにしています。
各国の政策を採点
この報告書は、WWFとE3G(政策提言に取り組むイギリスの非営利組織)が、Ecofys(欧州のシンクタンク)とGermanwatch(気候変動に取り組む環境NGO)に委託して作成したもので、世界の温室効果ガス排出量の約3/4の排出量を占めるG20各国の気候政策を評価し、政策の事例とそこから学べる教訓についてまとめています。
評価ランキングの上位には、ドイツ政府が実施する、いくつかの政策が入っています。 一つは、「建物の効率性向上」プログラムで、建設部門における温室効果ガスの排出量を減らし、雇用を創出するもので、他の国々でも、広く応用することが可能な事例として、高い評価を得ました。
同じくドイツの政策で、「再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度」イニシアチブも、安定した温室効果ガスの削減方法として評価されました。これは、太陽光などの再生可能エネルギーを生産する市民に対し、20年間の固定価格買取を保証する、というものです。

また、メキシコの「バス高速交通(BRT)」システムも、温暖化防止につながる政策が、生活の質と快適さを向上する大きな可能性を秘めていることを示すものとして、特に急成長を遂げつつある新興経済国に向けた興味深い参考例となることが期待されます。
さらに、エネルギーを多く必要とする産業分野の企業1,000をターゲットとした中国政府のプログラムも、企業のエネルギー管理や効率化を長期的に改善する政策として評価されました。
地球温暖化防止は世界の最先端!
今回の報告書は一方で、評価の低かったワースト政策についても取り上げています。
これらの政策はしばしば、ベスト政策が実施されている同じ国々で行なわれているものです。ワースト政策は、経済的な利益の獲得を妨げ、温暖化防止活動の足を引っ張るもので、地域採鉱への補助金や、エネルギーを多く使う産業に対する優遇措置、効率的な水資源管理の欠如などが含まれています。
WWF気候変動プログラムリーダーのキム・カーステンセンは、この報告書が「環境と気候変動に配慮した政策を実施できる国は、世界のリーダーとなってゆくことを示すものだ」としています。
逆に、温暖化防止のための低炭素政策に投資をしない国は、最終的に世界から取り残されることになるでしょう。WWFはG20の国々に対し、長期的な視点に立って、環境に配慮した経済活動への投資を活性化するよう求めています。
完全版報告書のダウンロードはこちら:
『Scorecards on best and worst policies for a green new deal』 (PDF形式/英文)
簡略版報告書のダウンロードはこちら:
『Scorecards on best and worst policies for climate and economic recovery』 (PDF形式/英文)
記者発表資料
2009年11月5日
WWFとE3Gの新報告書「気候にやさしい政策は一石二鳥」
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