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WWFの活動

経済学に 「自然資源という資本」を

2009年11月13日、UNEP(国連環境会議)は、新しい報告書『生態系と生物多様性の経済学 政策決定者向けレポート2009』を発表。その中で、各国の経済学者たちが、世界の自然資源の価値をいまだに評価できておらず、その結果、生態系と野生生物、何十億という人々の暮らしに、深刻な危機が及ぼうとしていることを警告しました。
 

生態系の価値を明らかに

この『生態系と生物多様性の経済学』(TEEB)は、生物多様性の損失と経済学について、国際的な視野で分析するため、G8に5カ国を加えた環境大臣の提案に、ドイツ政府とECが応える形で始められたものです。

報告書は、現代の人類が「価値を理解することなしに、自然資源という資本を使い切ろうとしている」ことを厳しく指摘。 土壌や大気、水や生物資源の劣化が、人々の健康や食糧を脅かし、消費者の選択やビジネスに、負の影響をもたらしていることを示しています。 また、その影響は、自然資源にもっとも依存している農業や漁業に携わる貧しい人たちに、最も深刻な形で被害を及ぼします。

逆に、自然保護に投資をして、生態系を適切に管理および再生させることは、社会に経済的な見返りとサービスをもたらし、それは、森林の皆伐や、漁業資源の過剰な利用といった、自然資源の無秩序な利用がもたらす短期的な金銭的見返りを上回る、としています。

 

経済的視点に環境を

各国政府や自治体が、自然資源が持つ、本当の価値を計るためには、よりすぐれた会計制度を採用し、政策の決定に取り入れてゆかねばなりません。

そして、現在の問題は、経済学者が、生態系サービスと生物多様性に対して、十分な市場価格を見出していないことに、一つの原因があります。人類が自然環境から受けている恩恵が、多くの政策の決定に際し、無視されているか、価値を低く見積もられているのです。

実際、このレポートは、政策決定者に向け、いくつかの勧告も示しています。
例えば、改善点として、化石燃料の使用の奨励を含めた、環境によくない補助金の改定や、環境に配慮したインフラ整備への投資などを提言。これらが、気候変動の影響に対する抵抗力を高め、自然災害からのリスクを軽減し、貧困の解消に必要な食糧と水の確保といった政策目的にかなう、費用対効果にすぐれた機会を提供する、としています。

この報告書について、WWFの政策担当ディレクターであるゴードン・シェパードは、次のように言っています
「各国政府は、この報告書に注意を払い、自然をより包括的な視野で捉え始める必要があります。経済に対し、より賢明な手段を選ぶなら、それは可能ですが、今のところそれは無視されており、私たちはそのツケを支払っているのです」。

 

報告書

“The TEEB for Policy Makers report” は、こちらのサイトで入手できます
http://www.teebweb.org/

記者発表資料

2009年11月18日
「自然資源という資本」を経済学者は考慮に入れなくてはならない
 

2009/11/18

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