2009年11月15日、ブラジルのレシフェで開催されたていたICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)の本会合が閉幕。地中海を含めた東部大西洋のクロマグロ資源の管理措置が、参加各国によって合意されましたが、資源を回復するためには不十分な内容となりました。この結果により、クロマグロ資源保全の行方は、2010年3月に開かれる「ワシントン条約」会議において議論される、国際的な貿易措置に委ねられることになります。
獲り続けられるクロマグロ
今、地中海を含めた大西洋のクロマグロ資源が崩壊し、日本の食卓から消える可能性が、かつてないほど高まっています。大西洋で、クロマグロ(本まぐろ)の過剰な漁獲と、資源の枯渇が懸念されているのです。
この、大西洋クロマグロの資源管理を担う ICCATの本会合で今回、厳しい予想が発表されました。それは、「加盟各国が漁獲してよいクロマグロの漁獲量を、年間「8,000トン」に設定したとしても、2023年までに東部大西洋クロマグロの資源が回復する可能性は50%しかない」というものでした。
ところが、議長国ブラジルをはじめ、日本、EU、モロッコ、チュニジアの提案によって合意された、各国の総漁獲可能量は、1万3,500トン。クロマグロ資源の過剰な利用を、事実上継続するという内容でした。
国際取引の規制に向けて
資源の持続可能な利用には、程遠い結論を選んだ、今回のICCAT会合により、このクロマグロ問題は、議論の舞台を別の国際会議の場に移すことになりました。
2010年3月にカタールのドーハで開かれる、第15回「ワシントン条約(CITES)」締約国会議です。

「本まぐろ」の名で知られるクロマグロと、スペインのマグロ蓄養場。捕獲したクロマグロをここで太らせ、日本などに出荷する。
絶滅のおそれのある野生生物の国際取引を規制することで、その危機を軽減することを目的とした「ワシントン条約」の会議では、締約国の合意により、大西洋クロマグロ貿易の禁止が決議することができます。
これが合意されれば、マグロは漁獲されても輸出できなくなるため、漁業は行なわれなくなり、結果的に資源の保護が実現することになるのです。
WWFはこれまで、大西洋クロマグロの資源を持続可能な形で利用するためには、漁業の一時停止と、違法漁業に対する厳格な対応が必要だと訴えてきました。
世界で消費される大西洋クロマグロの80%を消費する日本市場が注目を集める中、WWFジャパンも、資源の消費と保全について、責任ある賢明な選択を政府や国内の流通関係者、国内消費者に訴えています。





