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WWFの活動

大西洋クロマグロ、貿易措置が不可欠に

記者発表資料 2009年11月16日

 

ICCAT、クロマグロ資源の保全に失敗


【ブラジル、レシフェ発】WWF(世界自然保護基金)は、15日に閉幕したICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)で合意された管理措置が、東部大西洋クロマグロ資源の回復を実現するためには、不十分であると強く警鐘をならす。クロマグロ資源保全の行方は、3月に議論される国際的な貿易措置の合意に託された。

ブラジル、レシフェで行われていたICCAT年次会合が15日閉幕。2010年の東部大西洋クロマグロ総漁獲可能量を19,500トンから13,500トンに削減することを求めた議長国ブラジル、日本、EU、モロッコ、チュニジアの提案で合意した。しかし、この総漁獲可能量は東部大西洋クロマグロの資源回復を確実なものとするには、依然として高い数字であった。

今回、ICCATの会合は、毎年8、000トンの漁獲量を設定したとしても2023年までに東部大西洋クロマグロの資源が回復する可能性は50%しかないとするシュミレーション結果を発表した。また、今後10年間のシュミレーションを行った結果から、東部大西洋クロマグロが、国際的な貿易を規制せざるを得ない資源水準から回復するためには、漁業を停止するのが最も効果的であると指摘した。こうした科学的検証の結果をふまえ、「今回の合意結果は全く科学的とは言えず、受け入れられる内容ではない」と、WWF地中海プログラムオフィス漁業担当のセルジ・トゥデラは述べた。「今回の総漁獲量削減は、確実な資源回復を視野に入れた場合、いかなる科学的勧告にも従っておらず、むしろ政治的背景を反映させた措置であり、漁獲量削減数値はたった1年間決められただけである。WWFはこれまで以上に、国際的な貿易措置が大西洋クロマグロ資源にとって唯一の希望であると考える。」

WWFは本会合にあたって、大西洋クロマグロ漁業の即時禁漁と違法漁業に対する対応措置の厳格化を求めてきた。本会合は、ICCATはほぼ全ての生産国が規制を遵守せず違法行為を行った例があると報告。中には、適切な漁獲証明を得ないまま生け簀に魚を買い入れたEUの蓄養業者もあった。クロマグロの巻き網漁業については、漁期が2ヶ月から1ヶ月に短縮されたものの、マグロにとって最も重要な時期である産卵期は漁業が可能となる。スペイン沖の産卵海域についても、禁漁区として設定されるには至らなかった。さらにICCATによる効果的な資源保全の取り組みを妨げている主な要因である、過剰な漁船隻数の削減課題については手つかずのままである。

「大西洋クロマグロの資源回復を確実なものとするためには一時的に禁漁を行い、これをサポートするために国際的な貿易を中断することが最も望ましいというのは、もはや世界的な共通認識と言える。ICCATがクロマグロ資源と自らの評判を守るためには、クロマグロ漁業を禁漁とすることこそが必要だった。」とセルジ・トゥデラは続けた。

ICCAT会合の結果を受け、3月にドーハで開かれるワシントン条約会議で、加盟国が大西洋クロマグロの国際的な貿易禁止に合意することが、クロマグロ資源の回復に向けこれまで以上に重要な意味を持つようになってきた。

水産庁は9月に大西洋クロマグロを輸入する業者に対し、ICCATが定める規則を遵守していることが明白ではない漁獲証明書については、受領しないことを明言。特に本年度から導入されている漁船のオブザーバー制度が守られていないものについては、厳しく対応していくとしており、安易な輸入を控えるよう指示している。

WWFジャパンは、生産国による違法漁業がICCATにおいて認められていること、またトレーサビリティの根幹である漁獲証明書に問題が指摘されている点から、国内の大西洋クロマグロ流通を一時的に停止することを強く求める。現状通り消費し続ければ近い将来、大西洋のクロマグロ資源が崩壊し、我々の食卓から消える可能性が、かつてないほど高まっている。世界で消費される大西洋クロマグロの80%を消費する日本市場が注目を集める中、責任ある賢明な選択を日本政府、国内流通関係者、国内消費者に訴える。
 

 

【問い合わせ先】 WWFジャパン 山内(水産担当)、町田(広報担当) tel:03-3769-1713

2009/11/16

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